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品川区に〜ツマグロヒョウモン〜が飛び回っています!!

カテゴリ:平成18年度

投稿日:2006年10月03日

羽の全体の色は橙色、ただし、羽の先端は黒色の中型の蝶を品川区内で見かけたことがありませんか。捕まえようとすると、敏捷でなかなか捕まりません。それは、ツマグロヒョウモンという蝶です。一見、蛾のような色をしていますが、蛾ではありません。
 私は、昼間は土曜、日曜しか家にいませんが、今年の6月以降、何度も見かけています。昨年は見ませんでした。日が照っているときに、民家の庭、あるいは公園の花や緑が多い日の光のあたるところで多く見られました。家族や知人の話を総合してみますと、どうやら、今年は品川区内に広く分布しているようです。

●出典 蝶の図鑑http://j-nature.jp/butterfly/index.shtml
撮影:「蝶の図鑑」有田忠弘
ここで、図鑑から、ツマグロヒョウモンとは、どんな蝶なのか見てみましょう。
書物「チョウ�、�」(渡辺康之著 保育社 平成3年4月発行)より
 
ツマグロヒョウモン  タテハチョウ科
【形態】 
前翅(※)長27〜38mm。暖地性のヒョウモン類で、♂(オス)と♀(メス)で斑紋が異なる。後翅表の外縁が紫色にふちどられる。♀は前翅表の羽端が黒紫色、中に斜白帯をもつ。カバマダラに擬態(※)するといわれる。裏面は前翅が橙色をおび、後翅は黄褐色の地色に、緑色斑がある。
【分布】 
本州(中部地方以西)、四国、九州、南西諸島。記録は北海道まであるが、土着しているのは、本州以南の温暖地に限られる。南西諸島には広く分布する。移動性があり、夏から秋にかけて北上、東進する。 
【出現期】 
沖縄諸島以南では周年成虫がみられる。九州以北では、第1回目が2〜5月に羽化する。秋までに年4〜5回、発生を繰り返す。幼虫、蛹で越冬する。
【生態】 
市街地でも見られる。畑、河原、山地の草原など様様な環境に棲む。ヒャクニチソウ、コスモス、セイタカアワダチソウなどで吸蜜する。♂は山頂に集まり、占有行動をとる。
【食草】 
スミレ科のスミレ、サンシキスミレなど。
【幼虫】 
体長45mm。地色は黒色、背面に橙赤色の太い縦線があり、胴部には棘をもつ。
※   翅(し):羽のこと  擬態(ぎたい):色や形を似せること
 以上のとおりですが、本来南方系の蝶であることがわかります。それがなぜか、東京23区に堂々と飛んでいるわけです。何となくビックリしませんか。じつは、我が家には日本古来のスミレ(マスミレ)の植わった鉢がありますが、そこに幼虫が4頭(匹)いるのを、8月中旬に見つけました。マスミレの葉が、かなり食べられているのに気付き、ナニモノかと見てみましたら、それが図鑑に示されているツマグロヒョウモンの幼虫でした。マスミレの細長い葉はあまり大きくないので、体長が数10mmに及ぶ虫に食べられるとみるみる減っていくので、異常に気付いたという次第でした。
幼虫は何度か脱皮しながら大きくなり、いつしか食草から離れた場所で蛹(サナギ)になります。我が家の幼虫も何箇所かにある鉢のマスミレを与えて、エサ切れにならないように注意していたら、体長45mm位まで成長して、いつしか順番に姿が見えなくなりました。どこかで蛹になり、順調にいけば、その後2週間後くらいには羽化して品川区を羽ばたいていることでしょう。
 このツマグロヒョウモンが品川区に土着するかどうかは何年か様子を見る必要がありそうですが、サンシキスミレは園芸用植物で、そんなに珍しい草ではありませんので、これを食草としているのは強みで、きっと住み着くでしょう。
 蝶の世界では、この数十年、南方系の蝶が生息域をどんどん北に広げていることが明らかになってきています。その一例が、「朝日新聞 2005年(平成17年)7月17日号」に「温暖化で北上してきたチョウをさがそう 南国の使者ご近所に」という見出しで一面を使って掲載されました。
 虫たちにとっては、年平均気温が1℃上昇するというのは大変な環境の変化です。それまで生息できなかった地域が、生息できる地域になったという種類の虫も当然、あり得るわけです。
 これからも、自然界では、さまざまな変化がきっと起きてきます。あなたも身近なところで何か発見をするかもしれません。
以 上
■記事提供 布川憲満(記者NO.060107)

カテゴリ:平成18年度

投稿日:2006年10月03日