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下水道のはなし(その2)

カテゴリ:令和元年度

投稿日:2020年01月23日

 先月、下水道のはなしを話題にしました。最近、図書館の新刊コーナーでちょっと面白い本に出会いました。題名は「荒廃する日本」、副題が「これでいいのかジャパン・インフラ」。 著者は、国土交通省内で様々なインフラ整備に関わってきた仲間が集まって結成された「インフラ再生研究会」です。
第4章「下水道インフラ」は約20ページを割いて老朽化の現状と整備水準の不十分さ、そして将来像について述べられていました。どの章も写真と図表を大きく使って分かりやすく説明されています。今回は抜粋にて、さわり部分を皆さまへご紹介します。
4−1 急速に進む老朽化
 全国の下水道管路の延長は、2017年度末時点で約47万キロ。標準的な耐用年数とされる50年を経過した管路は、1.7万キロ(約4%)。下水道管路に起因する道路陥没の発生数は、大規模な地震被害を覗くと年間で約3000件。(P86−87より抜粋)
4−2 見劣りする下水道整備水準
 近代的な下水道の整備は、明治時代に始まった。時代の要請に応じて、その役割は拡大しつつある。日本の下水道処理人口普及率(汚水分)は2017年度末で78.8%。小規模な市町村を中心に、適切な汚水処理施設を利用できていない。2014年時点で英国が100%、2016年時点でチリ100%、オランダ・ルクセンブルク・スイス・スペイン・ドイツが続く。アジアでは韓国が92%。
(P89−91より抜粋)
 平成30年7月豪雨における、全国の浸水戸数は約2.8万戸、そのうち、内水による浸水戸数は約1.5万戸。その地域に降った大雨を河川等に排水するための下水道の能力に不足等があれば、浸水被害が生じ、これを内水氾濫という。また、1995年に発生した阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)を受けて技術指針が改定されたため、1998年度以降に建設に着手した施設は所定の耐震性能を有している。2017年度末の重要な幹線等の耐震化率は約50%、下水処理場の耐震化率は約36%。
(P94−98より抜粋)
4−3 下水道事業の将来像
 施設老朽化に対する基本的な考え方は、①今ある施設をできるだけ長く使う、②改築更新を行う際にできるだけ低コストで実施する。国は2016年度から下水道ストックマネジメント支援制度を創設。国費の交付対象を定め、2022年度までに汚水処理施設の広域化・共同化計画の策定を全都道府県に対して要請。
(P101−103)
 下水処理場にはほとんど未利用の膨大な資源が集まっている。下水汚泥は燃料や肥料として高いポテンシャルを有している。また、下水はリン資源や下水熱といったエネルギーを持つ。現状の施設をできるだけ長く使うことは基本であるが、改築・更新時には新たな役割への対応をしてノウハウを持つ民間企業の参加も必要。
(P104−107)

<参考図書>
・「荒廃する日本」
 著者:インフラ再生研究会    編者:日経コンストラクション
 発行:日経BP          2019年11月25日初版
    
令和2年1月18日
環境記者 小滝静子

カテゴリ:令和元年度

投稿日:2020年01月23日