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過去の講座を紹介します

環境情報活動センターでは、毎月2~3の環境学習講座を開催しています。リサイクル講座・木の実などを使ったクラフト講座・自然観察などのフィールドワーク・夏休み子ども講座・環境教養講座など、多彩な内容でお送りしています。 このコーナーでは、講座のレポートを掲載していきます。(過去の講座を紹介しますのトップへ戻る

地球温暖化と気候危機時代を諦めない

カテゴリ:令和2年度

投稿日:2020年12月21日

 令和2年12月5日(土)、環境学習講座「地球温暖化と気候危機時代を諦めない」が開催されました。講師は地球温暖化防止コミュニケーターの林彰一氏です。地球温暖化防止コミュニケーターとは、地球温暖化に関する情報を人から人に直接伝える‘伝え手’で、環境省の登録資格です。
講座の概要は、米国元副大統領アル・ゴア氏直伝の資料をもとに気候変動、気候危機の全貌を確認し、コロナによるパンデミックと環境汚染の共通点を探るというものでした。
 
 気候変動問題について主要な問いかけは次の3点です。
(1)変わらなくてはならないのか? (2)変わることはできるのか? (3)変えようとしているのか?
以下、「日本では」などの断りがない限り世界に関する説明です。
(1)変わらなくてはならないのか?
【温室効果ガスと異常高温】
・太陽からのエネルギー放射が地球を温めており、また大気中のCO2濃度が上がるほど温室効果が高まります。
・地球に生命が生まれ生存できるのは、太陽からの距離と温室効果を持った大気が絶妙のバランスで地球の温度を15℃に保っているからです。
・温室効果ガスの発生源は農業、森林燃焼、交通など多くの発生源がありますが、最大の汚染物質は石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料を燃やして発生するCO2です。(左下図)
 
・昨年から今年にかけて世界で異常高温が記録されています。昨年7月にパリで42.6℃を、今年の7月にイラクのバクダッドで53℃を、また6月にはシベリアで38℃を観測しました。
・2019年は日本でも1898年の統計開始以来最高値を記録しました。
・11月に世界気象機関(WMO)が発表した世界の大気中のCO2の濃度変化です。季節変動を繰り返しながら毎年上昇しています。(左下図)
・80万年前からの大気中のCO2濃度の変遷を見ると、近年の上昇は顕著です。(右下図)

    
【異常高温が自然破壊など及ぼす様々な影響と被害等】
・北西太平洋の熱帯低気圧は今世紀中に激しさを増すことが予想されています。
・全世界的に洪水と豪雨の頻度が激増、干ばつの長期的深刻化、大規模火事の多発などが起きています。
・オーストラリアなどの森林火災により大量のCO2が発生し、CO2を吸収してくれる森林が広範囲に消失しています。
・グリーンランドでは氷河が減少しています。
・オーストラリアのグレートバリアリーフでは、この30年間で半分のサンゴが失われました。2016年からだけで30%の減少です。同じくグレートバリアリーフの北端では、アオウミガメの99%がメスです。ウミガメの性は水温で決まるためです。
【パンデミックと気候危機の共通性と影響を見てみましょう】
 
グレートリセット・・・コロナ禍が終わった後、傷ついた世界経済の回復の進め方
グリーンリカバリー・・・気候危機、環境対策に重点を置き、持続可能な社会の再構築を目指すコロナ禍からの復興計画
Q(1):変わらなくてはならないのか?・・・イエス! 
明らかに変わらなければなりません。
(2)変わることはできるのか?
結論から言えば、我々は解決策を手にしているということです。大いなる希望があります。
風力発電や太陽光発電の能力は、20年前の予想をはるかに超え、発電コストも大きく下がっています。
・イギリスでは昨年、再生可能エネルギーによる発電量は石炭火力発電の18倍にもなりました。
・風力などの再生可能エネルギー発電の増加で、ポルトガルやイギリスでは今年の前半の約2か月間、石炭火力発電を使わずに済みました。日本でも風力発電は確実に増加しています。
・全世界の太陽光発電能力は近年、指数関数的な伸びを示しており、風力発電の伸びを超えています。日本でも固定価格買取制度という投資刺激策が始まった2012年から数年間において急激な拡大を示しました。
 
電気自動車はリチウムイオン電池のコストがこの10年間に1/8までに下がったことにより、生産台数が大きく伸びています。日本でも伸びてはいますが、世界の伸びには及びません。そのため政府は補助金を出して普及を図ろうとしています。
Q(2):変わることができるのか?・・・イエス! 
再生可能エネルギーの利用という解決策を持っており、その爆発的な拡大の実績があるのです。
(3)変えようとしているのか?
・2015年のパリ協定で世界のすべての国が2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロにするために協調することに合意しました。
・日本でも、菅義偉首相は所信表明演説(2020年10月26日)で、温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロとする目標を宣言しました。
・では日本はどのようにして気候変動への対応を強化できるのでしょうか?
アル・ゴア氏による政策提言です。(左下図)
また個人はどのように気候変動に対応できるのでしょうか?
 
・知識と実践のチェックリストです。(青:知識 赤:実践)
                    
・使用する電力の100%を再生可能エネルギーにより発電された電力にすることに取り組んでいる企業が加盟している国際的な企業連合である“RE100”には約270社のグローバル企業が、また日本企業も42社が名を連ねています。
●最後に勇気づけられる話を
①日本で起きた公害問題やごみ戦争・・・
(例)夢の島問題は人々の意識変化と努力のお陰で劇的変化を遂げ、解決してきました。
②オゾン層の破壊とオゾンホールの拡大・・・
モントリオール議定書の締結によりオゾンホールガスの規制が行われており、オゾンホールはふさがるだろうと考えられています。
●アル・ゴア氏のメッセージです。
・気候危機の現実を政府や自治体に伝えましょう。
・気候危機に立ち向かうために対策を進めようとする候補者に投票し、有志の人々と行動しましょう。
・地球の未来はそれにかかっています。
●環境情報活動センターより
当日はコロナ対策のため、予定していたグループディスカッションが出来なくなり残念でした。
講師からは、今後の最新情報の情報源(*1)や、自分のアクションを考えるための、IGES発行『1.5°Cライフスタイル ― 脱炭素型の暮らしを実現する選択肢 ― 日本語要約版』(*2)のなかからの抜粋データ(*3)を掲載したので役立ててほしいとのコメントがありました。
 

https://www.iges.or.jp/en/pub/15-lifestyles/ja

                                                
  
以上

カテゴリ:令和2年度

投稿日:2020年12月21日