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海洋プラスチックの現状と私たちにできること

カテゴリ:令和元年度

投稿日:2019年12月03日

令和元年11月26日(火)、環境学習講座「海洋プラスチックの現状と私たちにできること」が開催されました。講師は東京理科大学理工学部教授の二瓶泰雄先生です。
             

(1)海洋プラスチック、実は私たちの生活圏から来ている
最近大きな問題として取り上げられている海洋プラスチックですが、必ず枕詞に「海洋」が付きます。海の生物が間違って食べてしまうプラスチックですが、それらはどこから来ているのでしょう? 実は私たちの生活圏から来ているのです。
   

荒川の河口付近ですが、草を刈ったらこんなものがいっぱい出てきました。
上流は長瀞で、きれいな水が流れているのですが、途中でごみが流れ込み、河口ではこの通りです。
(2)海洋プラスチックは最終的には人に
私たちは年間一人当たり約32kgのプラスチックを消費しています。
ペットボトル100本程度、レジ袋300枚、その他に食品のパッケージやコンビニ弁当等など。
捨てられたプラスチックは、太陽の熱や紫外線、海の波、川の流れによって小さな破片になります。身近なものとして割れた洗濯ばさみがあります。それらが細かくなり、生物がエサと間違えて食べてしまい、魚の体内に蓄積されます。それが魚の生命に支障をきたし、人にも悪影響を及ぼすおそれがあります。
大切な話ですが、プラスチックが人体に入る可能性は高いのですが、それ自体は排出されます。化学物質は人体へ移行する可能性はありますが、それをくっつけたプラスチックを取り込んだ場合の人体への影響についてはわかっていません。
海に漂着したプラスチックごみが劣化してマイクロプラスチック(MP)化し、海に漂っているのでしょうか。実際には市街地にある微細なプラスチックが雨などで陸から川に、さらに海に出て、それを生物が食べるといった流れだと思います。

本当にそうなっているのかということを、4~5年かけて調査をしています。
(3)河川の大規模調査
日本全国の70河川、90地点での調査を行ってきました。世界的にもこれだけの大規模な川のマイクロプラスチックの調査を長年にわたって行っているところはありません。
<観測結果1>

<観測結果2>河川と海洋のMP数密度(平均値:個/m)の比較
河川4.3 ≒ 海洋(日本近海)3.74(九州大学 磯辺教授)
この値が大きいか小さいかはわかりませんが、ほぼ同じです。
<観測結果3>MP数密度 VS 流域情報
流域内の土地利用(市街地率)や人口密度が大きいほど、MP数密度も大きい。つまり人間の活動の度合とMPの汚染が関係していることがわかりました。当たり前だと思われますが、それを科学的に証明したのがこの調査結果です。
<観測結果4>河川と海洋のMPのサイズ
それらはほぼ同一です。すなわち、MPは海でできているのではなく、海に入る前に細分化されているのです。
(4)河川のMPはどこから来るのでしょうか?
①市街地ごみの調査
ごみ箱の前にごみが散乱しています。ポイ捨てごみ、プラスチックの破片、カラスによるごみの散乱などが見られます。悪いのはポイ捨てだけではなく、プラスチック製品の不用意な扱い(例、割れたバケツ、割れたコーン)がMP発生の要因になっています。ごみ拾いは有効な対策の一つです。

②家庭ごみの調査
河川水、下水とも断片状のMPが多いのですが、下水には繊維状のMPが多く見られました。これらはどこから来るのでしょう?合成繊維の布地を洗濯機で洗濯すると大量のMPが発生していることがわかりました。生活排水中のMP発生源の一つとして衣服の洗浄がありました。

(5)グループワーク
今後どういう脱プラ生活が考えられるか、4グループに分かれて作業をしていただきました
         
各グループから発表していただきました。
   
・面倒だけれどペットボトルを止めてマイボトルを持って行く。ジュースならいいけれどコーラだったら?(笑) レジ袋をもらわないでマイバッグを持って行く。
便利さを我慢しないとプラスチックの減量にはならない。
・まずできることは、できるだけペットボトルを買わないこととレジ袋をもらわないこと。
・コストと利便性をどれだけ犠牲にするかということで、その覚悟があるか。
・代替品として、エコバッグ、紙や木のスプーンがある。コーヒーを買う時にはマイタンブラーを持って行く。生活の全部を変えようとすると苦痛になるが、できることからやる。
その他、さまざまな意見がありました。

カテゴリ:令和元年度

投稿日:2019年12月03日