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過去の講座を紹介します

環境情報活動センターでは、毎月2~3の環境学習講座を開催しています。リサイクル講座・木の実などを使ったクラフト講座・自然観察などのフィールドワーク・夏休み子ども講座・環境教養講座など、多彩な内容でお送りしています。 このコーナーでは、講座のレポートを掲載していきます。(過去の講座を紹介しますのトップへ戻る

大人のおもしろ気象学

カテゴリ:平成27年度

投稿日:2015年09月29日

2015年9月13日(日)環境学習講座「大人のおもしろ気象学」が開催されました。元気象庁予報官で気象予報士の平沼洋司氏を講師としてお招きし、天気の不思議や天気予報の難しさなどについてお話していただきました。

はじめに、9月10日の記録的豪雨により鬼怒川等を決壊させた気象について解説がありました。
今回の事例はいままでに経験したことのないもので、特異な気圧配置(2つの台風に挟まれ、北には高気圧があり、動きが遅く、長時間にわたって線状降水帯が存在した)によるところが大きかったのです。都会の大雨にも注意が必要で、1時間に100mmの雨が降ればマンホールの蓋は吹っ飛び、道路は冠水し、地下には水が流れ込むことを想定しないといけません。

1)天気は不思議ワールド!
�天気の振る舞いは気圧・気温・水蒸気がカギで、この3要素が規則正しく物理法則に従って風を
 吹かせ、低気圧や台風を形成しています。
�大気は赤道付近で暖まり、北極地方で冷えています。大気はその温度を混ぜて同じ温度にするよ
 うに動いており、その動きが気象です。まさに「地球の大気は生きている」と言えます。
�北半球では低気圧と台風は左巻き、高気圧は右巻きです。これは地球が自転していることによる
 渦巻きです。 
�地球上では、水は水蒸気・水・氷の3つの状態で存在しています。これは宇宙で水が液体として
 存在できる場所を地球が回っているということで、ものすごい偶然といわれています。
 また、この水が水蒸気の状態で大気中に含むことができる量は気温によって違うことが気象では
 重要です。
�雨が降り、風が吹き、台風などが発生する対流圏(地球のまわりの大気圏)の厚さは、日本付近
 の中緯度で約11km(飛行機が飛ぶ高さ)で、大気全体の空気の約90%はこの層にあります。地球
 を直径10cmの球とすると、空気の層はリンゴの皮ほど(0.1mm)の厚さです。
2)天気予報はなぜ100点がとれないの? 天気予報はどう作られるの?
�予報成績は気象庁自身の評価は85点ですが、あるアンケート調査では69点と出ていました。
人々の実感としては気象庁の評価より低く出ていますね。
�天気予報は、物理学の方程式により、風や気温などの膨大なデータの時間変化をコンピュータで計算して将来の大気の状態を予測して行います(「数値予報」)。大気は複雑な動きをするため、明日、明後日の予測は比較的正確にできますが、1週間先となると次第に不正確となってきてしまい、その限界は2週間くらいといわれています。今日では、この数値予報なくしては天気予報はできません。
�天気に国境はありません。英国のグリニッジ時間の0時を基準に世界各国が一斉に観測・予報を行います。日本では同日の午前9時にあたります。世界中で集められた気象データが、全世界で使われます。気象データには昼夜は関係ありません。予報官は一日3交代で盆暮れなしの大変な仕事なのです。
下の天気図は上空約5000mの天気図ですが、このように高度別の天気図を作成します。現在は天気
図もコンピュータが描いています。 
(クリックすると拡大します↓)      

3)地球は複雑でデリケートな星です。
�今年の夏は「とにかく暑い」「異常気象だ」という声がよく聞かれました。
3)地球は複雑でデリケートな星です。
�今年の夏は「とにかく暑い」「異常気象だ」という声がよく聞かれました。
・東京では猛暑日が8日間連続し、記録更新
・沖縄の石垣島では台風15号による最大瞬間風速が71.0m/s(日本の最大瞬間風速の記録更新)
・9月13日(本講座日)までに台風が18個も発生し、4個も日本へ上陸
・竜巻や記録的な大雨が多発
�異常気象の多発と地球温暖化問題が話題になることが多いのですが、南北の温度差、日本付近では海水温の上昇が問題とされています。
�エルニーニョ現象が起こると、日本の天候は「夏は冷夏、冬は暖冬」になりやすいといわれていますが、1980年代前半まではそうでしたが、最近はそうはなっていない傾向にあります。
�科学的根拠がなくても予防が必要です。
誰もみたことがない、複雑な地球のことは、科学的な答えがなくても、考えられる原因を列挙して、その悪影響を少なくする必要があります。
「科学的に証明されない」は「科学的に否定された」ではありません。
可能なかぎり予防措置をとることが必要であり、そういう意味で温室効果ガスの削減の努力をすることは意味があります。

カテゴリ:平成27年度

投稿日:2015年09月29日