品川区の環境ポータルサイト

過去の講座を紹介します

環境情報活動センターでは、毎月2~3の環境学習講座を開催しています。リサイクル講座・木の実などを使ったクラフト講座・自然観察などのフィールドワーク・夏休み子ども講座・環境教養講座など、多彩な内容でお送りしています。 このコーナーでは、講座のレポートを掲載していきます。(過去の講座を紹介しますのトップへ戻る

富士山の大自然を守ろう

カテゴリ:平成25年度

投稿日:2013年12月17日

平成25年11月24日(日)環境情報活動センターにおいて、環境学習講座「富士山の大自然を守ろう」が開催されました。講師は山梨県富士河口湖町出身、在住の自然・動物写真家 外川英樹さんです。外川さんは、環境省の富士箱根伊豆国立公園指導員や日本自然保護協会の自然観察指導員などを務められ、富士河口湖町公認ネイチャーガイドしても活躍されています。里山のあり方、野生動物と人工林のあり方、野生動物と人間との関わりなどをテーマに日々自然保護活動に励んでいらっしゃいます。

今年6月、富士山は、その雄大さ、気高さ、美しさなどを基盤とし、信仰や芸術を生み出した山であり世界にふたつとない価値を持っているとして、世界文化遺産に登録されました。世界文化遺産となったのは富士山本体だけではなく、富士山が生み出した信仰と芸術に関わる文化財として、周囲にある登山道、神社、湖沼など25か所が「構成資産」に認定されています。美しい写真とともに構成遺産を紹介していただきました。


世界文化遺産に登録されるまでには、山梨、静岡両県及び関係市町村や、地域住民、NPOなどの地道な活動がありました。「富士山憲章」を制定し、富士山の環境を保護する取り組みを推進してきました。河口湖町には数多くの自然保護団体があります。大人とともに子どもたちも活動している様子が印象的でした。子どもたちは、「人の力が自然環境を保護する」ということを肌で感じながら成長していくのですね。また、町では長きに渡って子どもを対象に富士河口湖町自然観察教室を開催しています。外川さんはこの教室の第一期生だそうです。町内外から理科の先生(南都留理科サークル)を招いて富士山の生い立ちや取り巻く自然について野外で学んでいます。

野生動物と人間の関わりは、外川さんの研究テーマのひとつです。人災の被害者となっている野生動物の実態について話してくださいました。
まず釣り糸、ルアーの被害にあった動物たち、そのリアルな写真に胸が痛みました。外川さんは、ソーセージを使って、釣り糸がいかに鋭利で危険か実演してくださいました。ソーセージは釣り糸を当てるといとも簡単にちぎれ落ちてしまいます。

 
富士山ではゴミは少なくなってきていますが、下界ではマナーに欠ける人がゴミを捨てていきます。寒さが厳しくなる季節、山にエサがなくなり、エサを探して山から下りてきた野生動物たちがゴミの臭いに釣られて事故に遭うというケースがあります。また、水上バイク、水上スキーなどのレジャーが増え、越冬して飛来して来ている水鳥があわてて避難することが増えて来ました。山ではニホンカモシカの親子に猛スピードのバイクが直進し、あやうく接触しそうになる場面がありました。
構成遺産の中には、古くからその地区で人々が守り抜いた人があまり入らない静かな場所、いわば鎮守の森があります。少し神経質な野生動物も多く住んでいますので、少しでも環境を変えると、姿を見せなくなることが多々あります。聖域に入るときはそれなりの配慮をすべきです。


最後に動物の剥製を見せていただきました。手に取り触ってみて野生動物を身近に感じました。触れない方、目をそらす方もいらっしゃいましたが。

外川さんの豊富な体験と郷土を大切に思う気持ちに基づいたお話はとても興味深く、皆さんは熱心に聞き入っていらっしゃいました。和気藹々とした雰囲気の中数々の質問が発せられ、外川さんはひとつひとつの質問に丁寧に答えてくださいました。富士山の信仰の対象や芸術の源泉としての側面についても知ることができて充実した2時間でした。受講者の皆さんは、富士山の美しい自然を何としても守っていかなくては、という気持ちを持たれたことと思います。世界遺産登録はゴールではなく、富士山を守るための新たなスタートなのです。

カテゴリ:平成25年度

投稿日:2013年12月17日