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過去の講座を紹介します

環境情報活動センターでは、毎月2~3の環境学習講座を開催しています。リサイクル講座・木の実などを使ったクラフト講座・自然観察などのフィールドワーク・夏休み子ども講座・環境教養講座など、多彩な内容でお送りしています。 このコーナーでは、講座のレポートを掲載していきます。(過去の講座を紹介しますのトップへ戻る

台風と地球温暖化

カテゴリ:平成25年度

投稿日:2013年09月11日

平成25年9月8日(日)、環境情報活動センターにおいて環境学習講座「台風と地球温暖化」が開催されました。講師は気象予報士の大島正幸氏です。
「これまでに経験したことのない大雨」「異常気象」などの言葉を頻繁に耳にした今年の夏、さらにこれから日本付近にやってくる台風による雨・風は、今後の地球温暖化と関係があるのか。雲の発生と降水、気象観測の仕方、台風とは何か、竜巻、地球温暖化の現状、異常気象などの基礎講座でした。

 
観天望気とは自然の変化を察知し、経験則から行う天気予測のことで、実際にそうなることが多いと言われます。
(1)雲と雨(気象現象の基本です)
 ヤカンに入れた水を沸騰させるとヤカンの口から湯気が出るのが見えますが、これが水蒸気でしょうか?実は水蒸気はヤカンの口と湯気の間にある気体で、目で見ることはできません。白く見える湯気は「雲」と同じです。つまり気体の水蒸気が急速に冷えて、小さな水の粒になったものです。
地上付近の空気が何らかの力で上昇すると(下図・左下の図)、気温の低い上空ではヤカンの例と同じように水蒸気が冷えて水滴ができます。これが上空の雲です。

上空に浮かんでいる雲は小さな水の粒で、軽いため上昇気流によって押し上げられるため落ちてきません。それが大きな雨粒に吸収されて大きく、重くなると雨となって降ってきます。
【さまざまな実験】講義の途中で実験が行われました。
�雲作り実験:空気の圧力を下げる(空気が地上から上空に上昇する)と水蒸気が雲になります。
�缶コーヒーの実験(缶の底に小さな穴が開けてあります):コーヒー缶の中は1気圧で、透明容器(容器の中の圧力を変えられる)の中の気圧を低くしたり高くすることで、缶の中のコーヒーが出たり入ったりします。
�暖かい空気(お湯)は上へ、冷たい空気(水)は下へ:お湯(赤)と水(青)の実験で     

(2)気象観測の仕方
 天気予報は気象観測からスタートします。地上(アメダス他)で、海上で、高い高度(レーウィンゾンデ他)で、レーダーで、気象衛星でと、様々な装置を駆使し、膨大なデータを収集します。
これらの膨大なデータを超大型コンピュータで解析し、予測して予報を行います。
(3)台風
 日本の近くにやってくる台風の多くは、北緯10度付近で発生し、はじめは北西方向に進みます。その後は上空の偏西風の強さと、太平洋高気圧の強さなどによって移動方向が決まり、日本付近に来たり、上陸することもあります。
台風は海面水温が26〜27℃以上の海域で発生・発達し、日本の近くに来て海面水温が低くなったり、上陸すると勢力が弱まります。
 A台風とB台風では、品川区で吹く風はどちらが強いでしょう? A台風です。
理由は、台風の中心付近では反時計回りの風が吹いており、台風自体の進行による風がプラスされるためです。また東京湾では吹き寄せ効果による高潮の危険もあります。

(4)竜巻
竜巻は、主に積乱雲に伴って発生する強い上昇気流を持ち、何らかの原因で回転することで激しい渦巻きを引き起こします。台風や寒冷前線、寒気の流入など、局地的に大気の状態が非常に不安定(下層に暖かい空気が入り、上空に寒気が流れ込んだ状態)な場合に多く発生しています。
 先日、越谷(埼玉県)や矢板(栃木県)で発生した竜巻は、大きな被害をもたらしましたが、竜巻は予測が難しい現象です。竜巻であることは、被害が細い帯状に発生している、飛散物や倒壊物が集中している、重いものが舞い上がる(今日では映像でとらえられます)などから分かります。

 
(5)地球温暖化
 日本の年平均気温は、最近100年で約1℃、世界では0.74℃上昇しています。この間に海面が17cm上昇し、地球温暖化が進んでいると考えられています。一方、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが増えており、この温暖化は人間活動が原因である可能性が高いと言われています。
その結果、生態系への悪影響(例、種の絶滅、森林火災の増加)、食糧生産への悪影響(例、穀物の生産性の低下)、水資源への悪影響(例、水不足、干ばつの増加)など、様々な面で問題が生じます。CO2濃度の季節変化を見ると、下図のようにきれいな変化が見られます。CO2濃度が高いのは冬、低いのは夏です、植物の光合成の活発さの違いによります。

 
地球温暖化の原因はCO2などの温室効果ガスであると言われていますが、それらがなかったら地球の温度は−19℃〜−18℃くらいになってしまうため、それらの適量は必要なのです。

 
熊谷(埼玉県)では2007年8月に当時の最高気温40.9℃を記録しましたが、都心で暖まった熱が南寄りの風で運ばれ、一方では秩父の山からフェーン現象による暖かい風が吹き込むことにより、高い気温が記録されることが多いのです。
地球温暖化によって大雨や台風は増えるのでしょうか?気象庁によると下記の通りです。
先に海面水温と台風の発生・発達についての関係の話がありましたが、地球温暖化により台風の強度が強まる可能性を示しています。

 
IPCCから最新報告が発表されました(2013年8月22日)。それによると海面水位の上昇予想は前回の第4次報告書より大きくなりましたが、気温の上昇予想は小さい値になりました。
今後の報告によっては、更に変わることがあるでしょう。そうは言っても、地球温暖化は人間活動が原因である可能性が高いと言われているわけですから、人間が解決しないといけないですね。

カテゴリ:平成25年度

投稿日:2013年09月11日