品川区の環境ポータルサイト

過去の講座を紹介します

環境情報活動センターでは、毎月2~3の環境学習講座を開催しています。リサイクル講座・木の実などを使ったクラフト講座・自然観察などのフィールドワーク・夏休み子ども講座・環境教養講座など、多彩な内容でお送りしています。 このコーナーでは、講座のレポートを掲載していきます。(過去の講座を紹介しますのトップへ戻る

新エネルギーの現状と今後

カテゴリ:平成25年度

投稿日:2013年07月19日

 平成25年7月7日(日)、環境情報活動センターにおいて環境学習講座「新エネルギーの現状と今後」が開催されました。講師は日本国際戦略問題研究所所長 津田慶治様です。
今後のエネルギー源のあり方が大きな問題となっている昨今、期待される新しいエネルギーとその実現に向けての難しさ、その一方で明るい見通しなど、分かり易くお話して頂きました。

(1)脱原発の目標と2つの問題
 ある時期に既存原発をゼロにする目標を立てたら、2つの問題を解決しなければならない。
�代替エネルギーの確保・・・発電能力とピーク時の対応能力の増強、省電力が必要になる。
�使用済み核燃料の処理と最終処分場の問題
発電量の8割を火力に頼り、価格の高いLNG(液化天然ガス)を輸入している今日、電力会社は赤字で、今後ますます電気料金は値上がりする。
持続可能なエネルギー社会に向けて、次世代のためにも安価で安定したエネルギーを確保することが必要である。
(2) 自然エネルギー
エネルギー源としては太陽光が最も多く、ほかに風力、水力、地熱などがある。
�太陽のエネルギーを使う発電には2種類あり、太陽光が圧倒的に多いが、太陽熱もある。
太陽光パネルの設置数が増えているが、今はパネルコストが高く、発電コストも高い。全量買い取り制によってメガソーラーを導入した企業は大いに儲かった。しかし今後はドイツの例を参考にすると、買い取り価格が下がり、償却期間が長くなるだろう。
一方、太陽光発電の賦課金が電気料金へ上乗せされているが、今後その額が大きくなり、太陽光発電の設備を持たない家庭の負担が大きくなる。
 
 
�風力発電の適地(強い風が吹くところ)は北海道や九州に多く、その他全国の海岸線で、電力需要が少ないところである。そこから大消費地まで送らなければならないという送電の問題がある。東京湾に設置されている風車は、あまり動いていない。
  
�小型発電機による水力発電ができる場所はたくさんあるが、開発が進んでいない。その理由は規制と水利権問題である。実験だけで終わってしまっている。
�地熱も利用できるところは非常に多いが、これも規制が強すぎ、温泉地の反対運動でどうしようもない。
 
 
�非穀物からエネルギーを生成する
藻類、木材、わら、ススキなど、日本ではこれら植物エネルギー系でも大国のはずだが、コスト問題で前に進められない。
(3)太陽光発電や風力発電を中心にしたいけれど・・・
安定的な電力確保が最も大切であり、いざという時の対応のために常に数%の予備電力を持っている。風力や太陽光だけでは、そういった場合の対応ができない。
「太陽光発電や風力発電で電力確保を図るべきだ」という言うことは簡単だが、実現はそう簡単ではない。太陽光の発電価格は高い上に、火力発電の調整電力が必要でさらに価格が高くなる。

(4)燃料電池と水素社会
 燃料電池は「電池」というけれど「電池」ではない! これ自体はエネルギーを生み出さないからだ。
水素はいつでも電気に変換できるので、エネルギー調整の中心的役割を担うことができる。
燃料電池は水素を入れて化学反応させ、電気を起こして、最終的には水ができる。
普通の電池はすでに電気を溜めてあるので、溜めてあるだけの電気はいつでも使えるが、「燃料電池」は水素を入れればいくらでも電気が使える。水素はいつでも電気に変換できるので、エネルギー調整の中心的役割を担うことができる。

 燃料電池車の開発がすすんでおり、2015年頃までには500万円くらいで発売されると言われている。
それまでに水素ステーションが全国で100カ所、ガソリンスタンドに併設する形で進められている。
現在はLNGと水で水素を作っているが、これからは水素の作り方が変わる。製鉄所や火力発電所、コンビナートなど、高熱が発生する場所や高温の生成物があるところでは、現在は水をかけて冷却しており、その際に発生する水素を大気中に逃がしている。将来はこれらを有効に集めることにより、水素は十分に得ることができる。
水素を作れば石油がいらない時代が来るだろう。太陽光と燃料電池で安定した電力供給が可能になる。
  
(5)電力の自由化と将来の方向
既に工場やビルでは電力の小売は自由化されているが、家庭や商店には2016年を目途に進んでいる。
将来の方向としては、発電と配電が自由化されることになっており、そこにいろんなビジネスが生み出される。これらの自由化により電気料金は安くなるはずであり、これからの日本は新エネルギー分野の最先端を進むことになる。

(6)まとめ
エネルギー問題の現状から、新エネルギーの可能性、実現性をお話していただき、明るい日本の将来を見ることができました。

カテゴリ:平成25年度

投稿日:2013年07月19日