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過去の講座を紹介します

環境情報活動センターでは、毎月2~3の環境学習講座を開催しています。リサイクル講座・木の実などを使ったクラフト講座・自然観察などのフィールドワーク・夏休み子ども講座・環境教養講座など、多彩な内容でお送りしています。 このコーナーでは、講座のレポートを掲載していきます。(過去の講座を紹介しますのトップへ戻る

私にも始められる育エネ・省エネ生活

カテゴリ:平成25年度

投稿日:2013年05月31日

平成25年5月19日(日)、品川区環境情報活動センターで、環境学習講座「私にも始められる育エネ・省エネ生活」を開催しました。講師は、家庭の省エネエキスパートで太陽光発電アドバイザーでもいらっしゃる林彰一さんです。
林さんはご自宅に太陽光発電の装置を設置していらっしゃいます。太陽光で発電した電気を貯めたリチウムイオン電池を当日持参し、PCとプロジェクターの電源に使われました。通常の電気と何ら変わることなく機器は作動しています。当たり前のことですが、普段太陽光の電気に馴染みのない者にとっては、太陽光エネルギーを身近に感じることができて新鮮な体験でした。自然エネルギーによってスクリーンに映し出された映像を見ながらお話を伺うとは、まさにグリーン電力の講座ですね。

前半は「育エネ・省エネ」についての講義がクイズを交えて行われ、後半はグループに分かれて節電について情報交換、意見交換をしました。

◎育エネの部
「育エネ」はまだあまり馴染みのないことばです。育エネとは何でしょう?
狭い意味では、再生可能エネルギーの拡大支援のために、電気の消費者が法律によって課される賦課金のことを指します。電気料金の請求書の内訳に「再生エネ発電賦課金等」の項目名で加算されています。

     
一方広い意味で捉えると、太陽光や風など、自然の恵みから作られる再生可能エネルギーの拡大・育成のために個人で出来る行動全般が、「育エネ」なのです。その取り組みの具体的な方法をご紹介します。
�グリーン電力証書の購入
グリーン電力とは風力や太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギーで作った電気のことです。グリーン電力証書とは、これらのグリーンな電気が持つ「環境価値」が「証書」化された商品を売買することで、再生可能エネルギーの普及・拡大を応援する仕組みです。電力会社との電気契約はそのままに、自然エネルギーの「環境価値」を別途購入すると、購入した電力量分の自然エネルギーを使っているとみなされるのです。
  ◎グリーン電力証書を詳しく知るには…
  環境省ホームページ「グリーン電力活用ガイド」
   http://bit.ly/fBAwYX
�市民共同発電所等への出資
市民共同発電所とは、市民が出資して再生可能エネルギーの発電所を運営し、発電した電気を電力会社に売り、収益を出資者に還元するというものです。東日本大震災以降、エネルギーの大切さに目覚めた市民が、自分たちの手でも作ろうと、活動が盛んになりました。また、昨年7月の「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(Feed-in Tarif:FIT)」スタート以降は長期間安定した好条件で売電できるようになったことから、全国各地で市民発電所建設の勢いが増しています。当初の寄付型から仲間を募って出資する投資型へ主流が移っています。
  ◎市民共同発電所を詳しく知るには…
  資源エネルギー庁パンフレット
  「みんなで、育エネ」ダウンロード
  http://bit.ly/SmwFz3
�太陽発電システムなどの設置
林さんの個人宅の設置例をもとに、初期費用や発電状況など、具体的な数字とともに紹介していただきました。既築住宅向けの太陽光発電システムの設置費用は、2009年夏ごろと比べて2012年末には、28パーセントも値下がりしています。こういう状況を勘案して、本年度の買い取り価格も引き下げられていますが、それでも設置費用の回収期間は短縮する見込みです。
  ◎太陽光発電システム等の設置
  参考になるホームページ
  太陽光発電導入ガイドホームページ
  http://www.qool-shop.com/
   PV-NETホームページ
  http://www.greenenergy.jp/
「育エネ」については、数多くの質問が寄せられました。
まずは、再生可能エネルギーに関心を向け、愛を持つことから「育エネ」活動は始まります。受講者の皆さんは最初の一歩を踏み出されたようです。

◎省エネの部
家庭でできる省エネの知恵を教えていただきました。資料を使って数字を示しての説明で説得力がありましたし、実感しやすかったです。知ると知らないとでは大違い!講座を聴いて得をした気分になりました。
印象に残ったことを取り出して書いてみます。
冷蔵庫を買い替えたら電気料金は大幅減
お話の中でもっとも衝撃的だったのは、今時の冷蔵庫は10年前と比べると約60%も省エネ設計になっているということです。電化製品はこんなにも進化しているのです。冷蔵庫を10年以上使うケースはけっこうありそうですが。これは、クイズの設問にもなり、受講者の皆さんも大きく反応なさっていました。ちなみに薄型テレビは10年前と比べると約64%省エネ、エアコンは約14%、LEDランプは一般電球と比べると約80%も省エネになります。冷蔵庫は24時間稼働し、一般家庭の電気消費の中でもっとも比率の高い家電です。古い冷蔵庫を買い替えるだけで、電気料金の大幅減が期待できるということですね。買い替えるときは、「しんきゅうさん」や「統一省エネルギーラベル」が参考になります。
  ◎「しんきゅうさん」
  http://shinkyusan.com/

一般家庭の電力消費の比率は以下に示すとおりです。比率の高いものから見直していくと効率的です。

節電だけが省エネではない
省エネというと、節電に関心が集中しがちですが、電気だけの問題ではありません。電気を節約しても、その分、ガスや水を余分に使えば、その部分のエネルギーは増えることになります。節電とともに節水、節ガスについても同時に対策を考えるべきです。また、住宅の断熱・機密化も大きな影響があります。林さんのお宅では、シャワーヘッドを節水タイプに交換し、住宅に内窓を設置されました。その後、水道、ガスの使用量、料金が明らかに減って効果が出ています。数値の変化のわかる表を見せていただきました。

窓に注目して省エネ対策を
夏の住宅では、熱が住宅内に侵入してきますが、窓から入ってくる比率は全体の70%にもなります。窓周りを工夫すればかなりの節電効果が得られるということです。下に示した円グラフをご覧ください。冬についても同様のことが言えます。このように現状を把握し、ポイントを明らかにして節電に取り組むと効果が出やすくてやりがいがありますし、無駄な我慢も無用でストレスになりませんね。




数人のグループに分かれて、以下の内容で話し合いをしました。
      ・節電や省エネはうまくできているか
      ・ 各人が実行している省エネ対策
      ・ うまくいかないもの、自慢できそうなもの、ユニークなもの
どの班も大変活発な情報交換が行われ、話が尽きない様子でした。皆さん、こんなに色々と話すべきことを持っていらっしゃるのですね。家族の中でも世代によって省エネに対する意識の違いがあり調整が難しいというご意見がありましたが、熱心に省エネに取り組めば出て来る問題かもしれません。各班の代表が話し合ったことを発表し、グループワークを終えました。

今回の講座では、講師の林さんが、太陽光発電をはじめとしてご自宅で実行していらっしゃる「育エネ・省エネ」活動について、数値を交えて報告してくださり、受講者は体験を共有することができました。品川で暮らす林さんの実体験ですので、身近に感じることができ、各々が今後実行できそうな行動のヒントになりました。また、実用的な育エネ・省エネ情報を最新の動向を踏まえて紹介していただきました。豊富な表やグラフを参照しての説明は、とてもわかりやすかったです。一回の講座で、これだけ多くの情報を平易にまとめて興味が持てるように話してくださった林さんに感謝です。講義の内容に食い込んでいく受講者の皆さんの好奇心も素晴らしかったです。実り多い二時間を過ごしていただけたと思います。
有益な情報を講座の参加者だけのものにしないで、より多くの品川に住む皆さんにも共有してもらいたいものです。また、各地の市民共同発電プロジェクトの事例を知り、いつか品川でも市民共同発電所が計画されたらと思いました。

カテゴリ:平成25年度

投稿日:2013年05月31日