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過去の講座を紹介します

環境情報活動センターでは、毎月2~3の環境学習講座を開催しています。リサイクル講座・木の実などを使ったクラフト講座・自然観察などのフィールドワーク・夏休み子ども講座・環境教養講座など、多彩な内容でお送りしています。 このコーナーでは、講座のレポートを掲載していきます。(過去の講座を紹介しますのトップへ戻る

オセアニアのペンギン〜恥ずかしがりやな森の妖精たち〜

カテゴリ:平成24年度

投稿日:2012年10月18日

2012年9月23日(日)環境情報活動センターにて、環境学習講座「オセアニアのペンギン〜恥ずかしがりやな森の妖精たち〜」が開催されました。
講師はペンギン写真家の鎌倉文也さんです。鎌倉さんは、これまでに世界各地のペンギンの生息地に出かけ、ペンギンたちが自然の中で暮らす様子を撮影してこられました。今回の講座では、ニュージーランドとオーストラリアに棲むペンギンたちについて、貴重な写真や映像を見せていただき、興味深いお話を伺いました。

オセアニアでは、ペンギンは人の暮らしととても近いところに棲んでいます。人々はペンギンを身近に感じて暮らしているのです。ニュージーランドの固有種であるキガシラペンギンはお札になっているほどです。講座では主にキガシラペンギン、フィヨルドランドペンギン、コガタペンギンについてお話を伺いました。
キガシラペンギンは、海岸近くの藪や森の中に営巣します。また、大規模なコロニーを組織し集団生活を送るペンギンが多い中、群れずに単独で、お互いに見えないような距離を保って巣を作ります。キガシラペンギンを撮影するときは、迷彩服を着て目立たないよう、彼らを驚かせないように注意されるそうです。恥ずかしがりやな森の妖精なのですね。
フィヨルドランドペンギンもまた、森の住人です。フィヨルドランドペンギンが生息するエリア一帯は手付かずの自然が残されており、世界自然遺産にも登録されています。1年のうち300日以上が雨という気候が、巨木がそびえシダが生い茂る太古の昔から変わらないジャングルのような景色を作り出しています。フィヨルドランドペンギンは、太古の森の妖精といえるでしょう。
       


コガタペンギンは,世界で1番小さいペンギンです。青味がかった羽毛を持ち、ニュージーランドではブルーペンギンと呼ばれています。オーストラリアではフェアリーペンギンと呼ばれているそうです。コガタペンギンは海岸近くに巣を作ります。夕方暗くなって、群れをなして海から巣へ戻っていく様子は妖精のような可愛らしさなのでしょう。


それぞれのペンギンの巣作り、産卵、子育てから巣立ちまでをカレンダーに沿って教えていただきました。オセアニアを訪れたらガイドツアーがあり実際にペンギンを見ることができるそうです。


今回お話に出てきたペンギンたちは、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでは下表のような分類となっています。

オセアニアのペンギンは、人の生活圏に近い地域に棲んでいるので、人の暮らしや経済活動がペンギンの暮らしと密接に関係していて、より危機的な状況にあるのです。森に棲むキガシラペンギンは、森林が伐採され農地や牧場に変わることにより生息地が激減しています。また、人間が持ち込むフェレットなどのペットや外来動物がペンギンの卵やヒナを食べてしまい深刻な危害を与えています。漁猟用の流し網にかかったりコガタペンギンが交通事故にあったりすることもあります。地球温暖化に起因した海流の変化や魚の乱獲により魚類が減ってエザ不足になるのも問題です。現地には「キガシラペンギントラスト」をはじめとする保護団体があります。生息地の買い取り、再整備などの活動を行い徐々に成果を上げてきているのは、喜ばしいことです。
質問が相次ぎ、盛況の内に講座を終了しました。受講者の皆さんは、熱心に講座に聞き入っていらっしゃいました。コミカルで何とも可愛いペンギンの動きや鳴き声の映像が流れたときは、歓声が上がっていました。ペンギンを追い続け接近して観察をしてきた鎌倉さんだから語れるエピソードの数々は、ペンギン好きにはたまらない内容だったことでしょう。ペンギンの息遣いが感じられるような臨場感のある写真や映像、そしてペンギンへの愛情に満ちた鎌倉さんのお話は心に響くものがありました。講座を通して、ペンギンに対して親近感が湧き、逞しく生きている様子に愛しさを感じました。それだけに、現在ペンギンたちが置かれている厳しい状況について心が痛みます。ペンギン、そして絶滅の危機にさらされている動物の生存のために私たちができることは何でしょうか。改めて考えさせられました。すべての生物が共存できる穏やかな地球でありますよう願っています。

カテゴリ:平成24年度

投稿日:2012年10月18日