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過去の講座を紹介します

環境情報活動センターでは、毎月2~3の環境学習講座を開催しています。リサイクル講座・木の実などを使ったクラフト講座・自然観察などのフィールドワーク・夏休み子ども講座・環境教養講座など、多彩な内容でお送りしています。 このコーナーでは、講座のレポートを掲載していきます。(過去の講座を紹介しますのトップへ戻る

富士山の大自然と私たち

カテゴリ:平成23年度

投稿日:2011年12月16日

 平成23年11月27日(日)環境情報活動センターにおいて、環境学習講座「富士山の大自然と私たち」(講師:山梨県富士河口湖町船津出身 自然・動物写真家 外川英樹氏)が開催されました。

●はじめに、数百年前の活発な富士山の噴火活動と、自然が生み出した現在の富士山周辺の構造について紹介がありました。
 「大沢崩れ」は今でも崩れていますが、その原因は長い間の雨や風などの自然現象によるものです。
精進湖、西湖、本栖湖には雪解けの水や雨水が溶岩に染み込んで地下水として流れており、精進湖では水深が浅くすぐに冷却されるため冬は湖面が凍りやすく、一番早くワカサギ釣りなどが出来る湖です。
クニマスが発見されたことで最近話題になった富士河口湖町 西湖。周辺の自然豊かな手付かずな環境と青木ヶ原溶岩流の下を流れている冷たくてきれいな地下水があるので、これまで生きてこられたというのが有力な説になっているようです。
 青木ヶ原樹海の紹介です。夏でも非常に気温が低く、樹海の中には大中小様々な溶岩洞穴が1,100ヶ以上あると言われています。左の写真のように大きな口を開けています(地下から地表を見上げる)。
右の写真は氷筍(ひょうじゅん)と言いますが、溶岩洞穴の天井から雪解けや雨水などの水滴がしたたり落ちて凍り、たけのこのように氷の塊になったものです。光は当てていませんが、洞穴入り口から入るかすかな光が反射して光を放っているように見えます。
 
(左から  青木ヶ原樹海(溶岩洞穴)、氷筍) 
         
●続いて富士山周辺に棲む野生動物の生態についてのお話です。
 富士山麓には季節を通して色々な野鳥がやってきます。夏になると森の水場は大騒ぎです。奥からメジロ、シジュウカラ(ヒナ)、オオルリ(ヒナ)です。これらの3羽の親の口ばしは黒ですが、ヒナは黄色です。人間社会も社会人一年生は上司に「黄色い口ばしがあ・・・」なんていわれることがありますよね。これらの他にもこの地域に棲む多くの野鳥の紹介がありましたが、大自然がこれらの野鳥を生息させているのですね。
 「森の大工屋さん」と言われるキツツキの仲間アカゲラですが、かれらが作った穴にムササビ(リスの仲間)や、野鳥の仲間ではフクロウ類や夏鳥のブッポウソウなど一年中、何らかの野生動物が棲みつきます。
 
(左から 「メジロ、シジュウガラ(ヒナ)、オオルリ(ヒナ)」、アカゲラ)
 ムササビや野鳥などが柿を食べますが全部は食べず下に落とします。これが結果的に木に登れない野生動物(キツネ、アナグマ、タヌキなど)に柿の実を供給することになっているのです。
この様に自然界では私たちが知らない間に棲むところや食べ物で助け合いをしています。みんなが1つにつながっている世界があります(生物多様性)。
   (左から ムササビ、「コムクドリの‘夫婦の家さがし’?」、 柿なども食べるホンドキツネ)
 
 ニホンザルの顔が赤いですが、お尻も赤いです。この季節はおサルさんの発情期なのです。国蝶のオオムラサキが夏の雑木林でよく見られます。
江戸時代、街道の一里塚に旅人の目印として、成長が早くて大きく育つエノキやケヤキの木が植えられました。そのエノキの葉っぱをオオムラサキの幼虫が食べます。1里塚の周辺には人々の住む集落があり、そこでは樹液の出るクヌギ等雑木林があり、オオムラサキの成虫はそこで樹液を吸います。この様な蝶に優しいエコシステムが出来上がり、その後日本全国に広まりました。人間が広めたようなものですね。
 
(左から ニホンザルの家族、オオムラサキの雄)
 
 寒さが厳しくなった季節、山にエサがなくなり、エサを探して山から下りてきた野生動物たちが事故に遭ってしまいます(ゴミの臭いに釣られて等)。ごみを捨てる人のマナーの問題ですが、この現状をしっかりと受け止めてほしいですね。

   捨てられたごみ          
 温暖化の影響で富士山頂では永久凍土がなくなっていると先日発表されましたが、地球温暖化の影響は富士山麓の様々なところで確認されています。寒い場所で育つ樹木は暑さのため枯れて来ています(樹木は足が無いので移動できません)。自然環境が破壊されている現状は大変深刻な問題です。
最後に大自然の象徴である富士山の夜の綺麗な情景をご覧いただきます。
 
 
 
●受講後の感想
 世界文化遺産の登録を目指す富士山ですが、自然遺産登録には自然が保全されていないなどの理由で申請すらできなかったようです。またごみ問題ももちろん重要で、まずは一般登山者や観光客がごみを持ち帰るということの徹底が必要と思います。

カテゴリ:平成23年度

投稿日:2011年12月16日