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過去の講座を紹介します

環境情報活動センターでは、毎月2~3の環境学習講座を開催しています。リサイクル講座・木の実などを使ったクラフト講座・自然観察などのフィールドワーク・夏休み子ども講座・環境教養講座など、多彩な内容でお送りしています。 このコーナーでは、講座のレポートを掲載していきます。(過去の講座を紹介しますのトップへ戻る

南極を知る、体験する

カテゴリ:平成28年度

投稿日:2016年06月14日

 

 平成28年6月5日(日)、品川区環境情報活動センターで環境学習講座「南極を知る、体験する」が開催されました。講師は株式会社ミサワホーム総合研究所南極研究プロジェクトの浅野智一さんです。浅野さんは第56次日本南極地域観測隊の越冬隊員で、南極(昭和基地)での1年4か月の仕事を終えてこの3月に帰国したばかりということで、今の気候は暑くてたまらないとのことでした。
           
(1)南極の環境の特徴
①とにかく、寒い!
日本の昭和基地の最低気温の記録は、-45.3℃、ロシアのボストーク基地では-89.2℃という記録があります。私たちの住む東京では、せいぜい-2~-3℃くらいですから、南極はとても寒いですね。
-25℃で空にお湯をまいたら、どうなる?・・・一瞬湯気(に見えるが、実は氷の粒)になり、すぐに消えてなくなります。これは、液体の水(お湯)が固体(氷)になり、気体(水蒸気)になった(昇華<固体→気体>といいます)ためです。(写真a)
②すごく、風が強い!
昭和基地では、月2回くらいブリザード(極地方での猛吹雪を伴う強風)が吹きます。基地での最大瞬間風速の記録は61.2m/sで、時速220km/hで走る新幹線の屋根で感じる風速に相当します。風速測定器(風速以外に温度や湿度なども測定できる)に向かって強く息を吹きかけました。(写真b)
最大風速の記録は12m/sでした。また、ブリザードの体験もしました。(写真c)

③昼と夜が、ヘン?
白夜:一日中太陽が出ている日で、日の入がありません。
極夜:一日中太陽が出てこない日で、この頃は下の写真のように、太陽が地平線を東から西に転がるように移動します。
     
(2)その他の様々な気象現象
オーロラ以外は日本でも見ることがあります。
彩雲(雲の下の部分が虹色に見える)とオーロラです。

   
上2枚の写真は蜃気楼現象によるものです。蜃気楼は、光の屈折により地上や水上の物体が浮き上がって見えたり、逆さまに見えたりする現象です。右の写真は「四角い太陽」が見られますが、このときには既に日は沈んでいます。
南極で見られる雪の結晶はいろいろな形があります。私たちが知っている雪の結晶は六角形ですが、温度や湿度によって結晶の形が異なります。

(3)南極の氷
南極観測船が持ち帰った南極の氷が配られました。
家庭の冷凍庫で作った氷とは違って、小さな泡のようなものが見えますが、これは約2万年前の空気が閉じ込められたものです。非常に長い年月の間に降り積もった雪が氷になるときに、雪と一緒に氷の中に閉じ込められた空気です。この空気を分析することによって、当時の空気の成分が分かります。水を入れて氷を溶かすと、‘プチプチプチ’と小さな音がして、細かな泡が出てきました。
 
「南極の氷」は濁っているように見えますが、濁っているのではなく、小さな泡のようなもののために、そのように見えています。
(4)最後に
「下の写真はオーストラリアに帰ってきたときのものです。右前方に見える森を見た時、涙が出ました。1年4か月の間、緑を見ることのなかったことと、仕事をやり終えた達成感からです。」(講師)

 南極への道のり、越冬隊員としての業務と生活など、すべてが過酷な中で行われます。私たちが知らない南極について興味深い話を聞くことができました。

カテゴリ:平成28年度

投稿日:2016年06月14日