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進む地球温暖化~確実に進行しています

カテゴリ:令和2年度

投稿日:2021年03月23日

最近、テレビや新聞で地球温暖化の話題が多く取り上げられるようになりました。
先日BS朝日で放映された「地球クライシス2021~気候変動壊れゆく世界~(2021年3月7日(日)21:00~)」は、気候危機について世界の専門家のメッセージを交えてその深刻さを伝えていました。
以下はその内容を中心に、その他の地球温暖化情報も加えてお伝えします。
1.地球温暖化の実態
二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが地球全体を覆い、地球から出る熱を吸収して、より高い温度にしています。CO2が毛布の役割をしているようで、その毛布が更に厚くなっていることが問題です。

産業革命後、石炭などを燃やすことにより大気にCO2を大量に排出した結果、地球の温度は産業革命前よりもおよそ1℃高い状態になりました。わずか1℃といいますが、この温度上昇が地球の気候に大きな影響を及ぼしているのです。
2.温暖化によっておこる現象
異常気象の日常化、熱波、干ばつ・水不足、海面上昇、水害、生態系の破壊、感染症リスク増大など。
・2018年は記録的な熱波がヨーロッパを襲い、過去に記録したことのないほどの高温に見舞われました。
日本でも40℃を超える高温を各地で記録しました。
・気温が上昇すると海から蒸発する水分が増え、大気中の水分が増えれば雨の量が増える。それによって巨大な嵐や洪水が起きるわけです。
・何千年もの間凍り続けてきた氷河が溶け出しています。
・わずかな海水温の上昇が南極大陸の氷を大量に溶かし、海水面が上昇しているのです。
3.日本を襲う温暖化3大異常
(1) 日本から寿司が消える!?
・以前は南国で見られた海の生物が日本近海で見られるようになりました。
(例)真冬の相模湾の海底の岩場では水温が25~29℃の沖縄周辺にすむサンゴが見られます。
海水温が上昇すると日本近海の魚は水温の低い場所を求めて北上し、現在は旬の時期がずれるという影響が出ていますが、将来は日本近海にいた魚がいなくなるということになります。
熱帯地方にすむ魚が北上し、日本近海で生息域を拡大することになるでしょう。
・大気中に放出されたCO2を海洋が吸収することにより海洋の酸性化が起こり、海水温の上昇と相まってサンゴが白化し、これが続くと死滅してしまいます。

(2) 巨大台風、豪雨などで大きな被害をもたらしています。
最近「線状降水帯」という気象の専門用語を聞くことがよくありますが、これは次々と発生・発達した雨雲が列を作り、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞し、強い雨をもたらす状態をいいます。

2020年7月に熊本県の球磨川が氾濫しましたが、南から暖かく湿った空気がたくさん流れ込み、山などにぶつかることで上昇気流が発生し、そこに北から寒気が入りこみ、次々と積乱雲ができました。これが何個も直線状に並び線状降水帯を作りました。九州地方はそれが発生しやすく豪雨が起こりやすいのです。
(3) 日本人1億人以上の健康を脅かすヒトスジシマカ(やぶ蚊の仲間)
竹藪に行くと刺される黒い色に白い縞が入った蚊の仲間です。
夏場に水の溜まりそうな場所(ジョウロ、竹の切り株、植木鉢の受け皿、排水溝など)ならどこにでもいるポピュラーな蚊です。
出典:ウィキペディア
これによる健康被害(ヒトスジシマカが媒介する感染症)としてデング熱などがあります。デングウイルスによって高熱や呼吸困難を引き起こし、最悪の場合は死ぬことがあります。
2014年代々木公園を中心に流行したのを覚えているでしょう。この時ウイルスを媒介したのがヒトスジシマカでした。年平均気温が11℃以上のところであれば生息できると考えられており、次第に分布域が拡大(北上)し、2016年には青森県まで分布を広げました。

4.温暖化で世界は
・温暖化により大豆、コーヒー、カカオ(チョコレートの原料)は不作になり、種類によっては絶滅する可能性もあります。
・世界では海抜10m以内の湾岸地域に61億人以上の人が住んでいますが、住むところを奪われる人が多く発生します。
・温暖化が進み回復不可能なほどの変化が訪れる転機のことを「転換点」と言いますが、転換点がおこる可能性は世界中にあります。転換点の一つは地下に眠る温室効果ガス(メタン)が関連しています。北極の永久凍土には大量のメタンガスがあり、永久凍土が溶けることにより閉じ込められていたメタンガスが湧き出ることが懸念されます。メタンガスの温室効果はCO2に比べ21倍もあり、永久凍土から排出される大量のメタンガスが温暖化を更に加速させます。
・パリ協定では産業革命前と比べて平均気温の上昇を2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑えるという努力目標を設定しました。しかし、気温上昇を、1.5℃に抑えるためには2030年までに温室効果ガス排出を半減し、2050年までに世界中の排出量をゼロにするという非常に高い目標を達成する必要があります。
5.新技術が開発されつつあります、
(1)再生可能エネルギー(風力発電)
これまで再生可能エネルギーは化石燃料に比べて価格が高いことが問題でしたが、近年世界的には価格が下落しています。風力発電が増え続ければ将来的には化石燃料より安くなるでしょう。
日本の再生可能エネルギー最前線
・洋上風力発電・・・北海道、東北、関東、九州などの沖合ですでに行われています。
出典:日立造船グループ

・次世代太陽光(有機薄膜太陽光発電)・・・インク状の特殊な液体を塗ることで太陽光発電ができます。
(2)最新のCO2回収技術
空気中のCO2を回収し、地中や海底などに閉じ込める技術があります。回収したCO2を地下1800mまで押し込め、そこで岩盤に注入します。大気に影響を及ぼすことはありません。
(3)森林がCO2を吸収してくれています。世界中の至る所で自然を取り戻せば大気中の炭素を木々の中に閉じ込めることができるのです。

6.私たちが明日からできること
●江守正多氏(国立環境研究所地球環境研究センター/副センター長)
(1)常識を変えることが必要です。

(2)興味を持って、知って、声を上げていきましょう。

●依田司氏(気象予報士)

2016年4月1日から電力が自由化され、電気の小売業への参入が全面自由化されました。
すべての消費者が電気会社を選べる時代になったのです。自分が使っている電気は何由来なのか、化石燃料なのか自然エネルギーなのかわかるので、現在では自然エネルギーは若干高いですが、意識的にシフトしていくこともよいでしょう。

・イラストや図は、放映内容をもとに作図しました。
・江守正多氏には2015年(平成27年)11月27日、当環境情報活動センターの環境学習講座「異常気象と人類の選択」でお話をしていただきました。https://shinagawa-eco.jp/wp/kouza/?p=277

カテゴリ:令和2年度

投稿日:2021年03月23日