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気象・環境ビジネスセミナーを聴講してきました

カテゴリ:平成27年度

投稿日:2015年07月28日

平成27年7月22〜24日、東京ビッグサイトで開催されていた「気象・環境テクノロジー展」ビジネスセミナーの聴講報告です。

 
【�】防災、災害から身を守る、情報を活かす(気象庁総務部参事官・防災担当 永井章氏)
 日本は「災害大国」で、地震・津波、火山、風水害(台風・豪雨)、雪害などの自然災害により、多数の死者・行方不明者を出している。
(1)地震・津波災害
・ビルの倒壊、斜面崩壊、住宅倒壊、液状化などが発生する。
・防災情報として、地震発生後、数秒から十数秒後に緊急地震速報が、2〜3分後には津波の警報や注意報が、その後も地震速報、地震情報が発表される。
・これらの災害から私たちが身を守るために知っておくべきことは、気象庁や自治体などのHP・リーフレット、ビデオを活用することである。例えば、自治体のハザードマップを入手する。
品川区の浸水ハザードマップ:
http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/hp/menu000021000/hpg000020939.htm
(2)火山災害
・平成26年9月27日、御嶽山の噴火後、今年5月18日より、「噴火警戒レベル1」(噴火予報)の呼称を「平常」から「活火山であることの留意」に変更された。「平常」では「安全だという誤解につながる」という声が上がったためである。
・平成27年8月上旬からは、登山者など、火山に立ち入っている方が命を守るための行動を取れるよう、「噴火速報」を新たに発表することになっている。この情報はテレビ、ラジオ、防災行政無線や携帯端末などで入手できる。
(3)気象災害
・洪水害、土砂災害、台風による暴風波浪害、急な大雨による水害、雪害、竜巻による建物等の破壊
・平成26年8月豪雨(広島市での土砂災害)・・・集中豪雨が狭い地域で数時間継続したが、予想困難
数百km程度の領域のどこかで大雨になる予測はできるが、さらに絞り込んで、「いつ、どこで、どの程度」の現象になるかを予測するのは困難。
・降水の発生を予測する場合、現象の発生1時間先までは「ナウキャスト」が、6時間先までは「降水短時間予報」が発表される。気象庁のHPでは様々な情報が提供されている。
身を守るための情報を「活かす」ことが大切で、何も起こらなければ「良かった」と思ってほしい。
(4)聴講を終えて
「50年に一度の・・・」、「異常気象」という言葉を耳にすることが多くなっています。予想できない自然現象に対する備えは、私たち自身がしなければなりません。今日では非常に多くの情報が提供されています。それらを利用して万一に備えたいものです。
【�】気候変動リスクと人類の選択
(国立環境研究所 地球環境研究センター 気候変動リスク評価研究室長 江守正多氏)
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書の主執筆者である江守氏から、地球温暖化の基本的な話と、報告書のエッセンスを聴くことができた。
(1)地球温暖化のしくみ 
もし温室効果がなかったら地球の平均気温は−19℃に、それがあるので14℃程度に保たれている。しかし、それが強まると14℃以上になってしまう。温室効果ガス濃度の上昇と世界平均気温の上昇とは関係がある。海面水位は20世紀に急激に上昇している。
(2)人為起源の温室効果ガスの排出は、他の人為的要因と併せ、20世紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な原因であった可能性が極めて高い。
(3)100年後の世界平均気温の上昇量(2081~2100年)は、最も温暖化が進んだ場合には2.6〜4.8℃の上昇が、最も温暖化を抑えた場合でも0.3〜1.7℃の上昇の可能性が高いという予測がなされている。
一方、海面水位の上昇については、最大限の努力で気温上昇が止まっても、海面水位は上昇する。
(5)極端現象の過去および将来の変化(可能性や確信度の違いはあるが)
・ほとんどの陸域で、寒い日と寒い夜の頻度の減少と昇温、また暑い日と暑い夜の頻度の増加と昇温
・ほとんどの陸域で、継続的な高温/熱波の頻度や持続期間の増加(将来の変化)
・大雨の頻度、強度、大雨の降水量の増加
・干ばつの強度や持続期間の増加
・強い熱帯低気圧の活動度の増加
・極端に高い潮位の発生や高さの増加
(6)8つの主要なリスク
 �海面上昇 �洪水 �台風など �熱波 �食料不足 �水不足 �海の生態系の損失 
�陸の生態系の損失
(7)気候変動対策の長期目標
 産業化以前からの世界平均気温の上昇を2℃以内に収める観点から、温室効果ガス排出量の大幅削減の必要性を認識する。
(8)「2℃以内」目標を達成する排出削減経路
 今世紀前半:世界全体の排出量を現状に比べて2050年までに半減程度
 今世紀後半:世界全体の排出量をゼロかマイナスに
(9)気候変動関連リスクを「全体像」で捉えると、気候変動による悪影響がある一方、好影響もある。
 対策の悪影響もあれば、好影響もある。
 それらの影響の出方は、国、地域、世代、社会的属性によって異なる。
(10)聴講を終えて
 IPCC第5次評価報告では、20世紀半ば以降の温暖化は、人為的要因である可能性が極めて高いとしています。私たち個人の力で解決できる問題ではありませんが、実態を理解することの大切さを感じました。

カテゴリ:平成27年度

投稿日:2015年07月28日