品川区の環境ポータルサイト

ECOトピックス

品川区内の出来事を中心に、エコなトピックをレポートします!(ECOトピックスのトップへ戻る

環境問題: 死海 in ヨルダン

カテゴリ:平成30年度

投稿日:2019年03月27日

 今春、ヨルダンの死海に行って来ました。ヨルダンの首都アンマンから車で南方に約1時間の死海は、世界中から観光客が集まる中東の塩水湖、世界でもっとも低い位置(海抜マイナス419メートル)にある「湖」です。海水よりも高い塩分濃度のために体が水面に「浮いてしまう」さまを楽しむ人々でにぎわっていました。また、そこでとれる真黒な泥が美肌に良いとされ、顔、体に泥パックをしている観光客がたくさんいました。当然、リゾート気分で訪れたのですが、ホテルの土産物店で働く地元の人のことばで考えさせられました。
    

 死海の水位はこの40年間、平均で1年に1メートルのぺースで低下、陸地がどんどん広がり、湖までの距離も遠くなる一方(ホテル従業員の話)。最大の原因は沿岸のイスラエルやヨルダンが1960年以降、死海に通じるヨルダン川およびその支流から、飲料水や工業用水、農業用水として大量の水をくみ上げているためだそうです。ヨルダン川などから流れ込む水と、砂漠性の気候のために大気中に蒸発する湖水がバランスを保ち、水位を安定させてきました。しかしヨルダン川などからの大量取水のせいで湖水は蒸発する一方となり、年間約7億立方メートルの水が消えているとのことです。
 また、水位低下で地表に露出した、塩を多く含む沿岸が地下水に浸食され、地面が陥没する現象がリゾート地で続発しており、観光産業も打撃をうけかねないとのことです。ただちに水がなくなるということはないのでしょうが、関連ニュースなどを見ると沿岸国の水需要は増え続けており、2050年には湖が消える恐れがあると発表している環境団体もありました。

 事態を受け、さまざまな解決策が計画されているようですが、蒸発する湖水の量に見合う塩水の供給は困難とみられます。また、死海の成分を変えてしまうなど環境への影響も懸念され、解決策は見つかっていません。一見、ゴージャスなリゾート地でも、少し視点を変えて見ると問題はあるようです。
 2050年なんてまだまだ先だからと楽観している猶予はありません。

品川区環境情報活動センター

カテゴリ:平成30年度

投稿日:2019年03月27日