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自然エネルギー探訪記 第2回「直接メタノール型燃料電池搭載のヨットでクルーズ体験」

カテゴリ:平成24年度

投稿日:2013年03月20日

2012年度しながわECOだよりに4回にわたって連載しました、環境記者 林 彰一氏の記事を紹介します。
 今回は、大阪まで出張し、世界でも珍しい燃料電池とモーターを搭載したヨット「ブルーノア号」に試乗する機会がありましたので、レポートします。

燃料電池は、シリーズ名「自然エネルギー探訪記」の “自然エネルギー”に該当するかというと微妙ですが、燃料に水素やメタノールを利用し、二酸化炭素排出が大変少なく、クリーン電源として脚光を浴びているものです。この燃料を太陽光や風力発電など自然エネルギーを使って生産すれば、そのエネルギーを燃料のかたちで備蓄し、必要なときに利用することが可能になります。
 燃料電池の詳しい解説は省きますが、簡単に言うと、燃料である水素と空気中の酸素を、燃料電池セルという容器の中で反応させて電気を取り出すという、電池というよりは“発電機”です。
 すでに都市ガスから水素を生成する“エネファーム”という家庭向け燃料電池が実用化され、一般販売されています。また最近では、2015年に大手自動車会社が燃料電池車を発売する計画という新聞報道もありました。
 ヨットの場合は基本的には風まかせですが、無風時、非常時にはディーゼルエンジンなどの動力を使ってスクリューを回し、航行します。この動力を燃料電池とモーターで代替するわけです。燃料はメタノール水溶液。船舶には水素ガスより安全で取り扱いやすいそうです。
試乗したブルーノア号の船底には、発電能力250W燃料電池、2.4kW出力モーター、燃料供給系装置、リチウムイオンと鉛蓄電池、充電器等で構成される駆動システムが設置されていました。

 関西国際空港が間近に臨めるマリーナからの出航、帰航時にモーターで航行。本当に静かで排ガス臭もなく、海や風、自然を感じたいヨットマンには格好の未来の動力を体感できました。
1級小型船舶操縦士の免許を持つオーナーの岩崎孝彦氏は、この燃料電池システムの有効性、耐久性等の運用実証のために、今年9月、大阪からシンガポールまで6000kmの単独航海に挑むとのことです。
採用されたドイツ製の最新鋭燃料電池は試作レベルで、まだ高価。しかし、住宅、車、船舶、家電製品や産業機器等にも用途が広がって、量産効果により価格は確実に下がっていくでしょう。かつて携帯電話で起こったような、爆発的な普及を予感しました。それは超小型分散型のエネルギー革命です。 
(品川区環境記者 林 彰一)
<平成24年9月発行 しながわECOだより2012年度Vol.2掲載>

カテゴリ:平成24年度

投稿日:2013年03月20日