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電力小売全面自由化(2)

カテゴリ:平成27年度

投稿日:2016年02月24日

今回は、「電力小売全面自由化」と「環境」はどのように関係するかがテーマです。
前回、「2月8日までに登録された小売電気事業者は、全国で169社ということです。」と書きましたが、経産省はこれらの事業者を以下のように分類しています。
・電力会社の子会社(7社)
・現在の主要な新電力事業者(22社)
・LPガス及び都市ガス関係(32社)
・石油関係(8社)
・通信・放送・鉄道関係(32社)
・再生可能エネルギー関連など(太陽光など)(21社)
・その他(47社)
・現在の電力会社(10社 *169社には含まれない)
このうち今回自由化される家庭や事務所などへ低圧(50kW以下)の電気を供給する事業者は半数にも及ばないとのことです。
上にあげた分類をみても分かるように、従来電気とは関係なかったガスや石油(ガソリン)、通信、鉄道などの業界からの新規参入が目を引きます。
約8兆円のビッグチャンスがある市場というだけでなく、携帯電話の会社を例にとると、通信サービスと電気をセットにして割安な料金プランを提供することで、利用者が他社のサービスに乗り換えにくくする等の様々なメリットがあるのが新規参入の理由だそうです。
しかし、従来電気を扱ってこなかった新規参入事業者は、売る電気はどうするのでしょうか?
それは、ほとんどが現在の電力会社(4月からは発電事業者と呼ばれます)が発電しているもの(一部、FIT電気と呼ばれる自然エネルギーなど買っているもの)をそのまま卸してもらうわけです。
その他、現在新電力と呼ばれている事業者の自社発電所の電気や自然エネルギー、卸電力市場で取引される電気からも調達されます。
昨年経産省にできた電力取引等監視委員会が、「電力の小売営業に関する指針」という小売事業者向けのガイドラインをこの1月に制定しました。
色々ありますが、ここで取り上げたいのは「電源構成を開示すること。併せてCO2排出係数を記載すること」を望ましい行為としている点です。事業者への参考として、以下のような「表示の例」が示されています。

細かな解説はここでは致しませんが、現時点の日本で100%太陽光や風力、水力などの自然エネルギーだけで小売ができる事業者は残念ながらありません。
ですが、地球温暖化対策を強く意識して、多くCO2を排出する電源(石油、石炭、LNG等の発電所)の比率を低くする努力をしている会社、原子力の比率が低い会社、FIT電気(太陽光、風力)などの比率が高い会社など、事業者毎に特色が分かるようになります。
一方で、ただ電力会社の既存の電気をそのまま仕入れて看板を自社のブランドに変えただけという小売事業者も数多くいます。
今回決まったガイドラインでは、この電源構成の開示は義務にはなりませんでしたが、食品の表示ラベルと同様、厳しい選別の視点をもつ消費者を意識すれば全く非開示ということはできないでしょう。
(上記の表示例では業界の平均値など比較できる物差しがありません。火力発電の比率やCO2の比率が多いのか少ないのか分からないので、将来はこれらの付帯情報もセットで開示されるべきでしょう)
さて、もう年明けからテレビコマーシャルや電車の中吊り、雑誌広告等が出て、予約販売が始まっています。しかし、それらは資本力のある会社が多く、特色のある会社のサービスなどまだまだ出揃っていません。
契約されるにあたっては、各社の料金の安さやセット割、料金おまとめ等の利便性だけではなく、上述したようにどんな電源構成なのかも他社と比較し、環境問題にも配慮して総合的にじっくり決めていただければと思います。
各社の電源構成開示の状況は「パワーシフト」のホームページ
が参考になると思います。
ちなみに私の会社の太陽光発電所(エコロジア第一太陽光発電所エコロジア第二太陽光発電所)の電気は、これまで東京電力に販売していましたが、3月半ばから「みんな電力」(本社:世田谷区)という小売電気事業者に電気を卸すことになりました。
野菜とおなじように生産者と消費者を顔のみえる関係にしてつないでくれるというユニークな取組みをする会社です。
だいたい6月ごろから本格的にサービスが始まるようですが、うちの発電所の電気を袖ケ浦や木更津のご近所や品川区の皆さんにも買っていただけるようになりますので、大変楽しみにしています。
平成28年2月22日
林 彰一(記者NO.120101)

カテゴリ:平成27年度

投稿日:2016年02月24日