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【緊急レポート】台風15号と停電対応

カテゴリ:令和元年度

投稿日:2019年10月07日

9月12日(木)22:30時点で経験したことを書き留めたレポートです。私がいた千葉県袖ケ浦市も台風15号の暴風被害とその後の大停電でかなり深刻な影響を受けました。
・袖ケ浦の当地の停電復旧は9月11日夜9時半でした。
・シャットダウンが9月9日(月)3:55でしたので、65時間半ほどのブラックアウトでした。その時点で木更津ではまだ停電継続中でした。
・水圧は弱まったものの断水はありませんでした。
・ガスはプロパンで乾電池着火式なのでガスレンジは通常使用できました。
・停電2日目から携帯電話docomoの電波は非常に不安定、停電解消時から徐々に回復といった状況でした。
私自身、台風通過時は東京に薬を取りに戻っていて、袖ケ浦にはおりませんでしたが、月曜正午にアクアラインが再開されたため袖ケ浦に戻ろうとしたものの湾岸線からのルートが閉鎖。仕方なく川崎大師方面から浮島入口を目指すも3時間以上の大渋滞! 夕刻にようやく木更津、袖ケ浦の自社発電所にたどり着き、目視点検ができました。フェンスがぐにゃりと曲げられたり、スチール収納庫がひしゃげて扉が吹き飛び、なかみが散乱したり、トタン板の引きちぎれたようなもの等、他所からの飛散物があちこちにあり、片づけに時間がかかりました。
 当然、東電停電のため自社発電所も停止。電気的な被害があったのかは分からないものの、外観目視では問題はなさそうだったので、袖ケ浦の家に戻りました。途中の信号は全部無灯。交通整理の警察官なんていません。交差点でみんな一旦停止。譲り合って事故のないよう走行していました。信号機は、どれも本来の方向とは違った方に向いて、信号灯の上のカバーフードも引きちぎれているのにはショックを受けました。信号や電柱も柱という柱は斜めに傾き、家々の屋根やビニールハウスは破壊しつくされ、木更津・袖ケ浦界隈は壮絶な光景でした。弊社発電所の気象観測器では、台風中心通過後の4時4分南南西の風、瞬間最大風速46m/s、平均風速でも35m/sを記録していましたので、このレベルの暴風にやられたものと思います。(ちなみに発電所の設計上の風圧荷重計算上、法令での当地基準風速は38m/sです) 家の方は太陽電池の載っている母屋は瓦も飛ぶことなく無事でしたが、納屋の方は一部屋根が欠け、トタン板の外壁が東側を中心に吹き飛び、納屋の中の道具類が浸水していました。暗くなってきたので、調査、片づけはあとまわしにして、非常用電源のセットアップにかかりました。 
袖ケ浦の居宅には太陽光・再生鉛蓄電池充電システムがあり、別途備えていた2500Wのインバータを接続し、ドラムコードリールで電気を玄関経由で、ダイニングに引き込み、ここを宅内避難所に定めました。 結局この電力で東京電力が停電中ずっとほぼ通常の生活を営めました。ダイニングのエアコンはつけっぱなし、テレビ、冷蔵庫、10WのLED投光器照明をドラムリールにつないだ延長コードでそれぞれ配線しなおして使えました。ダイニングと接続しているリビングルームのソファで涼みながら寝ることができました。
 

2日目からは分電盤の主幹ブレーカを落とし、昼間は住宅太陽光発電PCS自立運転コンセントからの電力で、エアコン、冷蔵庫用のベースロード電力をとり、鉛蓄電池は独立の太陽電池からの充電にいそしみ、夜にそなえるという切り替えを行いました。自立運転のコンセントや蓄電池電源につながっているドラムリールのコンセントとダイニングルームの壁面コンセントを、両端がオス=オスの自作ケーブルで接続してやり、宅内配線そのものを利用できるようにしました。(コンセントの穴がある方をメス、差し込む方の金属 端子板2枚が突き出ているプラグの方をオスと表現)  これでエアコンも冷蔵庫も元々接続していたコンセントに差し込んだままで使えます。プラグがない外置きの井戸水ポンプまで使用可能となりました。このケーブルプラグを、系統が違う壁面コンセントにつなぎかえることで、別室のプロパン湯沸かし器、洗濯機などまで使えるようになりました。 この自作ケーブルでの宅内配線利用というのは絶大な効果がありました。ドラムリールにつないで延長コードで各家電製品のプラグを接続するのにも、長さや数に限界があったからです。
単相3線式の分電盤は宅内に中性線をはさんで100Vの配線が2系統出来ています。分電盤内の上下2系統のうち、どの部屋、どの器具がどちらの系統に属するのかきちんと表示、把握できていれば、それをもとに予備電源とどの宅内コンセントをつなげばいいのかが分かるわけです。以前からこうやればうまくいくのではないかと想定し、自作ケーブルを用意していましたけれど、それが実際に機能することが今回の被災で実証できました。非常事態で主幹ブレーカを確実にオフにして運用し、自己責任で行えればよいのではないかと考えます。 (主幹ブレーカをオフにする理由は、屋外で復旧工事をしている作業員を感電させ、死傷事故につながる危険があるからです)
                     

日中の屋外片づけ修理作業で汗だくになったあと、温水シャワーができたこと、汚れた作業着や下着を洗濯できたこと、熱帯夜に涼しい部屋で寝られたことがなにより有難かったです。ダイニングと続きのリビングがエアコンが効いているスペースで、十数人は収容可能という環境を確保できたために2日目の午前中にはご近所さん、地区の顔役の方を訪れ、拙宅に冷房があること、携帯電話などの充電ができることを地区の連絡網で知らせてほしいとお願いに行きました。遠慮されて女性陣は来られませんでしたが、顔なじみの男性陣は携帯電話の充電がてら涼みに来てくれました。 また、屋根貸しで車庫に太陽電池が載っている方が、「非常時に自立運転で電気を使っていいといわれているがどうすればいいか分からない」と相談に来られたので、現場に行って自立運転に切り替えてあげて、業務冷凍庫に通電できたので大変喜ばれました。
 
停電3日目の昨日は、木更津の発電所のフェンスに設置しておいた非常時電源コンセント(遠隔監視装置用の太陽電池蓄電池独立電源からの常時給電)が使えるかと、懇意にしているご近所さんから電話を貰いました。確認しに行ったところ問題なく通電していたので、携帯を2台、満充電にすることが出来とても喜んでもらえました。こういうときのために備えていた機能がちゃんと発揮できて胸をなでおろす思いです。
鉛蓄電池は1日だいたい5kWhくらいを消費し、天気が良かったのでその減った分をちょうど太陽電池で充電でき、それを繰り返した計算です。 エコロジア第一発電所は近くなので復旧エリアに入り、今朝から無事発電復帰したことが確認できました。もちろん住宅太陽光も売電モードに復帰。
木更津の第二発電所エリアはまだ停電復旧できていなかったため、他のご近所さんにも口コミで前述の非常時電源コンセントのことが伝わり、近所の農家さんからお礼にとれたてのキュウリなどをいただくなど有難い交流ができました。
皆さんのお困りの共通項は、冷蔵庫が使えず食材がだめになっていくこと、情報取得や連絡手段の携帯の電池が切れてしまい孤立すること、充電しようにも公的施設の充電場所はすごく混雑していること、それになにより暑くて寝られないことでした。商店も、飲食店も、ガソリンスタンドも全く営業できないというのもこれまで経験したことのない事態です。
「気候変動」は、いまや「気候危機」と表現されることもあります。そしてそれは近い将来に到来するかもしれないという悠長なものではなく、すでにその時代に突入してしまっていることを今回再認識しました。
電気が長時間ない生活がこれほど不自由や人命への危険をもたらすことを考えれば、せめて10軒に1件くらいは太陽光発電を中心とした非常時電源確保とそのシェアをコミュニティとして図ることで、随分苦しみが減るのではないかと感じます。
最後に
家中からかき集めた延長コードコンセント、そのうちの1つが古いもので、使用中一部の差込口の裏が発熱し焦げました。匂いで気が付いたからよかったものの発火の可能性もありました。電気は危険物であることを肝に銘じる必要があります。

令和元年9月19日
環境記者 林 彰一

カテゴリ:令和元年度

投稿日:2019年10月07日