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過去の講座を紹介します

環境情報活動センターでは、毎月2~3の環境学習講座を開催しています。リサイクル講座・木の実などを使ったクラフト講座・自然観察などのフィールドワーク・夏休み子ども講座・環境教養講座など、多彩な内容でお送りしています。 このコーナーでは、講座のレポートを掲載していきます。(過去の講座を紹介しますのトップへ戻る

生きもの博士になろう!

カテゴリ:平成20年度

投稿日:2009年03月26日

 平成21年3月26日、28日、29日の3日間、春休みこども環境学習講座『生きもの博士になろう!』を開催しました。春休み中の短い期間にもかかわらず、多くのみなさまにご応募を頂き本当にありがとうございました。
本講座は全日程、室内(環境情報活動センター)と野外(しながわ中央公園)での実施でしたが、幸い天候にも恵まれ気持ちの良い自然観察ができました。
                                   
 野生生物をテーマとして、自分たちの住む街に生息する生きものを観察し、生きものの不思議な知恵や工夫を、五感や体験を使って楽しく考える体験型環境学習講座です。講師にはNPO法人生態教育センター 小林友美先生と村松亜希子先生においで頂き、講座は連日元気な小学生のエネルギーでいっぱいでした。

                            
第一回目「植物のふしぎ発見」(3月26日)
 植物は自分では動けません。ですから、いろんな方法で種子を遠方に散布しています。そうやって子孫を残す知恵や工夫をしているのですね。それでは、植物たちはどんな工夫をしているのでしょうか。
先生は、三種類の植物の種をみんなに見せました。これらの種は一体どうやって遠くに運ばれるのでしょうか。
1.葉っぱのようなものにくっついている種

(生態教育センターより提供の写真)
  この種はひらひら風にのって遠くにはこんでもらいます。
                         
2.先がかぎ状に曲がったとげのついている種

動物の毛に付着して運ばれます。
                   
3.甘酸っぱい香りのする柚

鳥や、動物に果実といっしょに種を飲み込んでもらい、消化されない種は糞といっしょに排泄され、やがて発芽します。
                               
など、実にいろいろな方法で、植物は子孫を残す知恵やふしぎな工夫をしています。種はこの他にもみんなの身の回りにたくさんあります。それではどんな面白い種があるかみんなで公園に行って探してみましょう! 

                                         
 公園の北側沿いにあるサンシュユの木のところにきました。少し前まで黄色の小さな花をたくさんつけていたそうですよ。木の周りに何かの種があるみたいですね。窪みになにやらたくさんの植物の種が落ちています。ひらひら舞う種があります。米粒みたいな種もあります。でも、これらはこの木の種ではありません。どこか遠くから飛んできたものだと思われます。先生は、子ども達の見つけてくる種を一つずつ丁寧に観察し、適切なコメントを与えていました。

                          
 今度はイチョウの木です。イチョウの実は銀杏ですね。人間も銀杏の実を食べます。でも、人以外にも、銀杏を食べる動物がいます。タヌキです。タヌキは銀杏のまわりの臭い部分を食べます。タヌキの排泄物の中には消化されない銀杏の種(下の写真)の部分だけが入っており、遠い所に種は運ばれるのです。

(生態教育センターより提供の写真)
                                 
 マテバシイ(ドングリのなる木)のところにやってきました。ドングリがまだ沢山落ちているようです。植物を踏まないように、少しだけ中に入って探してみましょう。この公園にはいませんが、リスはドングリが大好きです。リスは食糧を蓄えておく習性があって、他の動物に見つからないように、土に埋めておきます。そうした種が、いつか木になるのですね。

 エゴノキです。5月になると白い花が咲きます。去年の種がまだ木に残っているようです。ヤマガラがこの種を好んで食べるそうです。鳥の中には餌の少ない冬場に備えて、種を土中に隠しておく習性があるものもいるのですが、こうした種が春になって芽吹き、やがて木になるのですね。

                                
 この他にも、色々な木の周りにいきました。そしていろんな種を採集しました。子ども達は先生から頂いた小さなビニールの袋に、見つけた種を宝物のように一つひとつ入れていました。それでは、センターに戻って、みんなで観察してみましょう。

センターにて
 ひらひら風に運ばれる種、動物の毛にクッついたり、又、食べてもらったりして運ばれる種、いろいろありました。

                        
 その他にも、先生はとても珍しい種を紹介してくれました。ムクロジの種は、表面についている殻を剥いて、水の入ったペットボトルに入れてシェイクすると写真のように白く泡立ちます。昔の人はこれを石鹸代わりに利用したそうです。(写真1)タネは羽根つきの羽の先に使われています。(写真2)又、種を一つずつ落としていく豆の種、タンポポの綿毛みたいなものが出てくるもの、水に触れると動き出すカラスムギの種。(写真3) 目からウロコです。植物は実に涙ぐましい努力をして次の世代へと命をつないでいるのですね。たくさんの「植物のふしぎ」を発見しました。

   (写真1)ムクロジの殻をペット          (写真2)ムクロジの種         
   ボトルに入れてシェイクしたもの                               

   (写真3)カラスムギの種
                                 
                                             
第二回目「昆虫を探しに行こう!」(3月28日)
                       
2日目は虫博士になりましょう!

 まずは皆がどのくらい虫が見分けられるか挑戦です!画面に4つわかれた所に虫が隠れています、皆どれが虫かわかるかな?答え合わせは先生の「こ・ん・ちゅ・う!」の掛け声の跡に皆で「パンッパンッパンッ」と手拍子をしてリズムよく発表。「あー!!あそこにもいたっ!!」と楽しそうでした。
                                        
皆に目を鍛えてもらった所で虫探しにしながわ中央公園に移動。
                                       
 
 まずはこの木に虫の何かがあります。探していると「これかな?」と発見した様子。発見できたけど「なにこれー?」、「トゲトゲしてるから服にくっつくやつかな?」と、皆これが何なのかわりません。実は、これはてんとう虫のさなぎの抜け殻なのです!てんとう虫は良く見ますがてんとう虫の幼虫の抜け殻を見たのは初めてって子が多かったようです。よく見ないとこんな所にいるのは気づきませんね。
                             

 次は公園の柵にいる虫を探します。普段、何気なく通っている道の柵にもたくさんの虫がいるって知っていましたか?
                                                   
柵にはこ〜んな虫たちがいました。(クモ・クモの巣・クモの卵・アブのサナギ・カマキリの卵)
 
 
どうしてこんな所に虫がいるのかというと、寒さや風があたらない所で、あまり人目につかない所や外敵から身を守るのに丁度良い所のためだそうです。
                                         
 
 次は虫の足跡をさがします。「ここに虫の通ったあとがあります!どれかな〜」と、先生に言われ一生懸命さがします。良く見るとつぶつぶのちっちゃい土の固まりを発見。実はこれ、ミミズの通ったあとなのです!これは、ミミズが土を掘って入る時に出てきたものなのです。
                               

 虫さがし中に面白いものを発見した子がいました。葉っぱに丸い穴が一列に空いています。
どうして葉っぱに穴が空いているのかというと、これはまだ葉っぱが丸まっている若くておいしい時期に幼虫がやってきてパクっと一口食べた後なのです。虫はいろいろ面白い事をしてくれますね。
                                    
 最後に公園で落ちていた葉っぱや枝をつかって自分のオリジナルの虫を作りました。
 

 特徴や得意技も一緒に考えます。女の子は可愛い虫を、男の子はかっこい虫たちをつくりましたよ!卵を守るために口の中にいれて倒す虫など様々なアイディアがでていました。
                                                 
 最後に先生達は、「あたたかくなるといろんな虫がでてきます。どうしてここにいるのか、どんな得意技を持っているのかまた考えてみてくださいね」とお話しくださいました。今回見た虫たちがあたたかくなるとどう変わっていくのか、これからもまだまだ楽しめそうです。
 紹介しきれませんでしたが、他にもたくさんの虫たちを発見しました。残念ながらご参加できなかった皆さんも公園に虫をさがしに行ってみてくださいね。意外な所に虫たちは隠れていますよ。
                               
                         
第三回目「身近な鳥の生活ウォッチング」(3月29日)
                              
 みんなが良く知っているスズメ、本当に知っているでしょうか。6枚の絵を見て、スズメの顔・脚・しっぽ・くちばし・羽根・模様などの違いを探してみました。みんな、手を上げて、違うところを答えました。さて本当のスズメは?答えは3番のスズメで、25名中、半分の13名が正解でした。

  
鳥は暮らし方によって、身体や模様の違いに意味があります。鳥に変身してもらい、3択クイズでそれぞれの特徴を探してみました。
1.アツシくん鳥「色が黒い、足にヒレがある」足をみればどこに住んでいるかわかります。
 水に棲んでいますね。
2.マユカちゃん鳥「くちばしが長い」何を食べているかわかります。
 魚を食べていますね。
3.ヒナコちゃん鳥「緑色の羽がついている」羽をみればどこに住んでいるかわかります。
 木に棲んでいますね。
 これらの3匹の鳥たちのように、どんなものを食べているか、どんな場所に棲んでいるか、それぞれにあった形をしています。これは難しい言葉で「適応」といいます。
スズメが茶色なのは、土の近くでエサをとっているからで、短いくちばしなのは、土のなかの虫とか、木の実など小さいものを食べるのに適しているからです。

                            
 それではどんな鳥がいるか、みんなで公園にいって探しましょう!
 区役所を背にして、公園を時計回りに歩きました。まず、最初に見つけたのはスズメです。さっき見た絵を思い出しながら観察しました。鳥を探すポイントは、鳥の声です。「何種類の鳥の声が聞こえるか」「他にどんな種類の音が聞こえるか」目をつぶって耳を澄ませました。

「何種類の音が聞こえましたか」、という小林先生の呼びかけに「はっぱが散らばる音」「鳥の声」「5種類」等色々な答えがありました。「2種類の鳥がいたのがわかりましたか?」と小林先生。
「チュッチュッチュッチュッ」と鳴くスズメ、「ヒョッヒョッ」と鳴くヒヨドリがいました。
電線にスズメが留まっていて、さっきの絵と同じ柄でした。メジロもいました。村松先生が「みんな、メジロは何色だった?」みんなは「緑色!!」と答えました。木の上にいる鳥ということがわかりましたね。
   
 桜の木の近くにやってきました。枝がゆれると鳥がいる証拠です。「ああ、いたいた」みんな枝を見上げて鳥を探します。「鳥を驚かさないように静かに探しましょう」と注意されたのに、鳥を見つけるとつい声がでます。黒いネクタイをしているような鳥はシジュウカラです。桜の木に留まって、花を食べていました。「ピーピージュクジュクジュク」とシジュウカラが鳴きました。これは怒っているときの声です。これで、スズメ、ヒヨドリ、メジロ、シジュウカラ、それに遠くで飛んでいたカラスを加えて、5種類の鳥を見つけることができました。

                                 
 花のまわりにはたくさんの鳥がいます。「食べた証拠」を見つけましょう、と小林先生がみんなに呼びかけました。鳥は花の根元に「みつ」があることを知っています。落ちた花に、鳥が食べた跡がみつかりました。花だけでなく、鳥は木の実も大好きです。
 エゴノキの近くまできました。このエゴノキの実も鳥はよく食べます。「どんなくちばしの鳥だと思う?」小林先生がみんなに質問。答えはヤマガラ、短いくちばしをしています。ヤマガラはおもしろいくせがあって、実を土に埋めておく事があります。そして埋めたことを忘れてしまうのでエゴノキは芽を出す事ができます。鳥の巣はおもしろい形をしています。メジロは人間のまわりのもの、髪の毛とかシュロのほうきなども使って巣を作ります。
                                     
シジュウカラの巣↓            ↓メジロの巣

                  ↑カラスの卵
                      
センターにて
 今度は画用紙にオリジナルの鳥の絵を書くことになりました。「どんな食べ物を食べるか?」「どこに棲んでいるか?」「どんな巣ですか?」「どんな卵?」いろいろなことを考えながらみんな絵を描き始めました。となりの子と相談したり、図鑑を見たり、先生に聞いたり、それぞれ完成させた絵を、5名がみんなに発表しました。
 身近な「植物」や「昆虫」や「鳥」と一緒に暮らせる街づくりが重要であると今回の講座であらためてわかりました。


※公園の使用につきましては許可を得ています。

カテゴリ:平成20年度

投稿日:2009年03月26日