品川区の環境ポータルサイト

過去の講座を紹介します

環境情報活動センターでは、毎月2~3の環境学習講座を開催しています。リサイクル講座・木の実などを使ったクラフト講座・自然観察などのフィールドワーク・夏休み子ども講座・環境教養講座など、多彩な内容でお送りしています。 このコーナーでは、講座のレポートを掲載していきます。(過去の講座を紹介しますのトップへ戻る

鳥から見た環境変化

カテゴリ:平成20年度

投稿日:2008年09月21日

9月21日(日)品川区環境情報活動センターにおいて、環境学習講座「鳥からみた環境変化」(講師:自然観察大学副学長、埼玉大学教育学部講師 唐沢孝一氏)が開催されました。多数の参加者の皆様を前に、写真をまじえ、都市に生きるスズメ、ツバメ、カラスの生態などについて、講義を行っていただきました。

●スズメ
スズメは地味な野鳥で、民家の周辺に多く住んでいます。石川県の小松空港付近の白山に調査に行ったことがありますが、山奥に行けば行くほどスズメが少なくなります。過疎地のように人がいなくなると、スズメとツバメも少なくなり、そして最後には全くいなくなってしまう。スズメとツバメは人が住んでいない環境には住めない鳥だということが分かります。
私は、自宅の庭に来るスズメに名前をつけて8年間ほど観測したことがあり、一羽ずつ名前と足環をつけて区別し、出席を取るようにしてみました。その観測の結果、分かったことは、若鳥は1年で来なくなり、成鳥は定期的に渡ってきます。
また成鳥には定着性があり、ある一定の数が同じところに定住しています。死亡などで数に空きが出来ると若鳥がそこに入り込みます。若鳥は若鳥同士でグループを作り行動を共にしています。台風などが起きたとき大きな樹にスズメが止まっていることがありますが、これは若鳥のグループです。
従来、スズメは民家の屋根の裏側に住処を作っていましたが、最近では住宅に住めなくなったため、都市部のビルなどに居を移す傾向にあります。
●ツバメ
東京駅八重洲口にあるビル、神田神保町のビルの駐車場に掛けた巣が大事にされています。もともと農業に従事している人が多かった日本は害虫を食べてくれる、ツバメは益鳥でした。だから、これらの駐車場では、車にツバメの糞が落とされても巣を大事にし、土曜・日曜の休日にもシャッターは閉めても、通り穴を開け、電気を消さないよう手厚く保護されています。

私が調べたところ日本で一番ツバメが多い町は成田市で、その数は東京の20倍から25倍にもなります。その理由としては
�食物と巣の材料が多い(水とみどりに恵まれている環境がある)
�安全と安心(人の存在、対面販売をすることで商売に活気が生まれる)
�ツバメの繁殖(商売繁盛のあかし)
そのほかでは、愛媛県松山市の道後温泉の道後館本館の入口にもツバメの巣があります。これは繁華街で人が多いのでカラスが近づかないことと、温泉に入場する人の出入りが多い事が関係していると思われます。そんな益鳥のツバメも年々減少しています。その理由は、次のような環境の変化が原因だろうと思われます。
�営巣場所(ビルの立替、巣作りしにくい環境)
�巣材不足(粘性のある泥、繊維質の雑草などの減少)
�天敵のカラスが増えた(カラスが人を恐れなくなった)
�人の意識の変化(農耕民族から都市生活者に変化)
�商店街の過疎化(過疎のシャッター街では繁殖しない)

●カラス
「住みやすい街、東京」というカラスが描かれたイラストのポスターがあります。このポスターの目的は「仲間がふえています」とカラスの視点で考え「ゴミをきちんと出しましょう」と、ゴミ出しの注意を呼びかけるものです。これからはゴミを出さない工夫も必要でしょう。カラスは大変利口で、クリーニング店でもらうハンガーで巣作りをします。また食料を埋めて保存し、古いものから食べるという知恵もあります。さらに弱い人間を見極め、人との距離を測ることもできます。例えば、ひげの生えている人には距離をあけ、女の人ではやや近づく。子供の前ではすぐ近くに、というようなことができます。

ツバメの項で話したように「祖父母・父母・子」の三世代が住める環境づくりが大事なのではないでしょうか。
水と緑に恵まれ、活気ある商店街があり、益鳥であるツバメを大事にする。こういう環境を残してこそ、未来があると思います。
ツバメやスズメの棲めないところには人も住めないのです。

カテゴリ:平成20年度

投稿日:2008年09月21日