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過去の講座を紹介します

環境情報活動センターでは、毎月2~3の環境学習講座を開催しています。リサイクル講座・木の実などを使ったクラフト講座・自然観察などのフィールドワーク・夏休み子ども講座・環境教養講座など、多彩な内容でお送りしています。 このコーナーでは、講座のレポートを掲載していきます。(過去の講座を紹介しますのトップへ戻る

小笠原諸島の自然

カテゴリ:平成26年度

投稿日:2014年07月03日


平成26年6月8日(日)に環境学習講座「小笠原諸島の自然」が開催されました。講師は環境省環境カウンセラーの倉田智子さんです。倉田さんは昨年、船でしか行くことのできない小笠原諸島を訪問されました。そのときに見た自然の美しさ、島での体験とあわせて、小笠原諸島が「東洋のガラパゴス」と称されることから、4年前に訪れたガラパゴス諸島のお話もうかがいました。
小笠原に行ってみたいと長年思っていたこと、侵略的外来種「アカギ」を除去する林野庁のボランティアに応募したものの抽選に落ちたこと、1000�の船旅はきついというところから話は始まりました。
●小笠原はどんなところ?
東京都小笠原村、東京から南に1000�離れた太平洋上の離島、海路25時間30分、亜熱帯気候、世界自然遺産、以上が小笠原の概要です。伊豆諸島の三宅島・三宅村と人口や世帯数はほぼ同じ規模ですが、小中学生の数は2倍に上り、若い世代が多いことが分かります。
小笠原諸島とガラパゴス諸島の面積や人口を比べると
小笠原諸島:   104.4�2  人口 2,885人(2014年) 北緯27度
ガラパゴス諸島:7995.4�2   25,124人(2010年国勢調査) 赤道直下
同じ世界自然遺産でも、一方は「ダーウィンの進化論の島」、大型の生き物が豊富で、魅力的です。かたや小笠原の生き物たちは地味です。しかし優劣をつけるものではなく、それぞれに価値があるそうです。小笠原はユネスコにより、生態系(ほかの地域にはない特徴的な生きものの進化や生きもの同士のつながりが見られる)の分野で、世界自然遺産登録にふさわしいと評価されました。

父島・二見港停泊中のおがさわら丸。手前は海洋牧場の浮体  枕状溶岩 海底火山の証(小港海岸 八ツ瀬川河口付近)
島内一周の移動の間に、ごみの焼却場や建設中の浄水場を撮影したら、稼働中の扇浦浄水場にも案内されたそうです。新旧浄水場の写真が画面に映し出されました。
扇浦浄水場は海に面しています。東日本大震災の津波は小笠原で1.8m、二見港周辺で建物の浸水と車両が水没しました。浄水場に被害がなかったことは幸いでした。新浄水場は45mの高台にあります。
●小笠原の自然と保全
島内一周コースでは名だたる景勝地のほか、小笠原産の固有種の植栽がある亜熱帯農業センターを訪問、季節外れのムニンツツジの花を見たそうです。母島産の「ワダンノキ」が、ちょうど開花時期で、この施設ならば見られるのではと期待したそうですが、なかったようです。
代わりに見たものは、足元をちょろちょろ動き回る茶色のトカゲで、色は違ってもグリーンアノールでした。昆虫類を餌にするので駆除が必要ですが、これほど目に付くのでは根絶するのは難しいと思ったとのこと、後で港周辺の公園の一角にグリーンアノールの捕獲用の粘着式のわなを見つけた時は、対策を実感したそうです。

捕獲わな 20か所中2か所3匹捕獲確認
父島・中央山(319m)の周辺道路には、植生とアカガシラカラスバトを保護するため、ノヤギ・ノネコの侵入防止柵が張り巡らされています。環境にダメージを与える動物の駆除について、日本ではシカはバンビ、アライグマはラスカルというイメージによる感情移入があって、対策は難しいという話には、うなずく方が大勢いらっしゃいました。
植物はシマザクラ、マルハチなどの固有種のほか、駆除対象の木(ギンネム・ランタナ・モクマオウ)や公園植栽の木が映されました。動物はオカヤドカリ、オガサワラヤモリなどが登場しました。鳥類は動きが早く思うような画像は得られなかったそうです。
●南島
南島は石灰岩でできた小さな島です。3か月ほど立ち入り禁止になり、また一日100人という上陸制限があります。ウミガメの産卵と、植生回復のためのようです。浜に続く砂の中に絶滅し半化石化した陸貝「ヒロベソカタマイマイ」が散らばっています。この陸貝の仲間の種類の多さ(多様性)が世界遺産登録にいたる要件の一つになっているそうです。

●小笠原の植物がみられる施設
環境省 新宿御苑 
東京大学大学院理学系研究科 附属植物園(小石川植物園)
国立科学博物館 筑波実験植物園
東京都夢の島熱帯植物館
今回、自然や動植物の写真だけでなく、街並みやごみ処理場や浄水場、亜熱帯農業センター、水準点の標識、お祭りの様子など、まるで自分が旅をしているような気分になりました。講師は「自然について話を聞きに来たのにインフラの写真ばかりと思われるかもしれませんが、人がちゃんと生活していないと自然も守れない」、またこの講座を聞いて「小笠原に行ってみたいという人が増えると嬉しい」とも話されました。
日本国内の4か所の世界自然遺産のなかで、ひときわ遠い小笠原諸島、興味深く聞き入りました。
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2014年6月24日 陸貝を食べる「ニューギニアヤリガタリクウズムシ」が新たな地域で発見され、またグリーンアノールも生息範囲拡大というニュースがありました。世界遺産は、登録で終わりではなく、環境を維持することが必要です。陸貝には屋内飼育という緊急対策が取られました。(倉田)
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カテゴリ:平成26年度

投稿日:2014年07月03日

小笠原諸島の自然 への1件のコメント

  1. 門倉 誠 より:

    「小笠原の植物がみられる施設」
    に、(都立)夢の島熱帯植物館が紹介されていませんでした。下記の通り、当初は小笠原の植物を紹介する事を目的の一つに開館した施設です。このことが広く知られていないので紹介されなかったのでしょう。これから、PRに努めて行かなくてはと考えた次第です。
    【東京都】夢の島公園 夢の島熱帯植物館
    http://www.yumenoshima.jp/‎キャッシュ
    類似ページ夢の島公園は、小笠原固有の熱帯植物を楽しめる植物館や、各種スポーツ施設、
    マリーナに面したバーベキュー広場などを有し、四季折々の花が咲き乱れ、緑あふれる
    都会のオアシスです。
    以上