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過去の講座を紹介します

環境情報活動センターでは、毎月2〜3の環境学習講座を開催しています。リサイクル講座・木の実などを使ったクラフト講座・自然観察などのフィールドワーク・夏休み子ども講座・環境教養講座など、多彩な内容でお送りしています。 このコーナーでは、講座のレポートを掲載していきます。 (過去の講座を紹介しますのトップへ戻る

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エコツーリズム先進国 コスタリカの自然と野鳥を訪ねて

カテゴリ:平成22年度

投稿日:2010年07月09日

 平成22年6月12日環境情報活動センターにおいて環境講座「エコツーリズム先進国 コスタリカの自然と野鳥をたずねて」が開催されました。講師は自然観察大学副学長 唐沢孝一先生です。
先生は昨年ツアーの指導者としてコスタリカを訪問されました。今回はそこで出合った動植物を写真で紹介していただきながら、気づいたことをお話していただきました。
 コスタリカ(Costa Rica)は中央アメリカ南部に位置し、メキシコより南、パナマの北に隣接し、南北のアメリカ大陸をつなぐ位置にあり、面積は四国と九州をあわせたほどの小国ですが、自然の多様さ、動植物の豊富さは目を見張るばかりだそうです。世界の陸地の0.03%に関わらず、世界の動植物の約4.5%が生息し、その数は91,000種類にものぼるそうです。


1980年代までに国土の17%にまで減少していたコスタリカの森林は、国をあげて野生生物の保護や森林の復元を積極的に進め、現在では50%位まで回復しています。国土の24%が国立公園・保護区としてしめられています。自然教育の先進国で、今ではエコツーリズムを中心とした観光が最も重要な産業となっています。


 ブラウリオ・カリージョ国立公園はコスタリカで一番大きな公園です。ここでは熱帯多雨林特有の大変めずらしい動植物が観察できます。
セクロピアという木は(写真1)アステカアリと共生し、アリに住みかと食料(ミューラ体= たんぱく質と脂質)を与える代わりに、葉を食い荒らす他の害虫から護ってもらいます。共利共生の間柄といえるのかもしれません。また、この木の葉っぱはミツユビナマケモノの主食でもあります。
       
  (写真1)
    
これはジェシネリア コンサンギーニアの葉の裏側です(写真2)。赤い模様が付いているのですが、これはハチドリをおびき寄せるために花のように偽装しているのだそうです。
        
(写真2)                         (写真3)
ウエルヒア(ヤシ科)(写真3)は新芽や若い葉を紫外線から守るため赤い色をつけています。遺伝子を守っているのです。成長し若葉が強くなるに従ってこの赤い部分は消えるそうです。


 モンテヴェルデの森は世界的に有名な自然保護区で、コスタリカで最も有名な観光地の一つです。隣接する保護区を含めてこの一帯は熱帯雲霧林と呼ばれ、400種類以上の鳥類が生息している独特な生態系を持つ森なのです。また、世界一美しいと言われている鳥ケツァールが生息しています。


国の中央部分の山岳地帯はカリブ海から巻き上げてくる高温湿潤な空気と太平洋からの高温で乾燥した空気とが触れ合うことによって霧がわきます。そういう森のことを雲霧林といいます。雲や霧に覆われていることの多いこの森では、着生植物といって土壌に根を下ろさず、他の木の上で芽吹き根を張る植物や、シダ、苔等がぎっしり絡みついています。 
         
(写真4)                        (写真5)
この写真は(写真4)つり橋の上から谷を見下ろしているところです。一本の木に9,000種類もの植物が着生し、50種類位のアリが生息しているそうです。隣の写真(写真5)はケツァールです。


(写真6) 
アボカドの種子(写真6 赤い実)はケツァールが子育てするにあたって、大変重要な蛋白源なのです。また、アボカドはケツァールに食べられることによって種を散布してもらいます。ケツァールもアボカドも持ちつ持たれつの関係、相互適応の仲なのです。

 その他にもたくさんの珍しい動植物の話をして頂きました。生きものの不思議な智恵をユーモア交えてお話くださる先生の話に、会場からは笑いが絶えませんでした。
最後に先生は、コスタリカの人々について、自然をこよなく愛しまたそれを資源として生きている、質素でとても明るく、常に未来志向で生きている人々なのだと、結ばれました。

カテゴリ:平成22年度

投稿日:2010年07月09日

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