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過去の講座を紹介します

環境情報活動センターでは、毎月2〜3の環境学習講座を開催しています。リサイクル講座・木の実などを使ったクラフト講座・自然観察などのフィールドワーク・夏休み子ども講座・環境教養講座など、多彩な内容でお送りしています。 このコーナーでは、講座のレポートを掲載していきます。 (過去の講座を紹介しますのトップへ戻る

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極寒の地に生きるシロクマと温暖化

カテゴリ:平成22年度

投稿日:2010年05月23日

 5月23日(日)、環境情報活動センターにおいて環境講座「極寒の地に生きるシロクマと温暖化」が開催されました。講師は自然写真家の丹葉暁弥さんです。
 
 丹葉さんが毎年撮影に訪れるカナダ北部の街チャーチル、そこに生息するシロクマの写真を見ながら、シロクマと温暖化の関係をお話頂きました。今回は写真だけではなく、動画でシロクマの様子を見ることができ、シロクマ好きの人には大変嬉しい講座となりました。
写真はどれも愛くるしいものばかりで、自然と笑みがこぼれました。しかし可愛らしい写真とは打って変わって涙が出そうな悲しい姿のシロクマたちの写真もあり、私たちだけのためではなく、シロクマのためにも温暖化についてもっと考えなければいけないことを実感できました。
今回はたくさんあった話の中の一部をご紹介します!
                       
●シロクマと温暖化
 
 シロクマの生態についてのお話では、シロクマの食事と温暖化の関係について驚かされました。シロクマはアザラシ一頭で半年は生き延びられるため、夏は基本的に絶食をしているのです。つまり、海が凍る寸前はお腹が凄く減っています。ですが、温暖化により海が凍るのが遅くなってしまうと食事ができるのも遅くなってしまい、体力がどんどん落ちてしまいます。
丹葉さんが見たお腹が減りすぎて完全に凍っていない氷に乗ったため海に落ちてしまったシロクマのお話では、シロクマがかなりお腹を減らしていた状況と温暖化がそんなシロクマを苦しめていることがわかりました。
このハドソン湾南西部の地域は、シロクマたちが集まる珍しい地域です。オスは通常の行動として子グマを食べることがあるため、このように集まること自体珍しいのです。現在ではこのような光景は改善されましたが、ごみをあさる場面では親子とオスのクマが一緒にいる場面も確認されました。「子グマを食べるのは温暖化でお腹が空いたため」と、先日歪んだ報道をした日本のメディアがあったそうです。残念なことですね。
                       
●街とシロクマの関係
 
(「ネズミ捕り」ならぬ「シロクマ捕り」)        (ごみの捨て場)

 カナダの街チャーチルの話では、人とシロクマが一緒に生きるための大変さや、街のごみが飢えているシロクマとどう関係していくかを知ることができました。
チャーチルでは街に近づいてしまったシロクマをバギーで追い払います。一応、銃は持ってはいますが、現地の人々はシロクマを殺したくないので実弾を使いたがらないのです。他の方法は「ねずみ捕り」ならぬ「シロクマ捕り」で捕獲します。これを街の近くに設置をし、捕まったシロクマをシロクマの監獄といわれる檻の中に閉じ込めます。食事を与えず暗闇の中に閉じ込め、もうこっちに来てはいけないと覚えさせるためです。丹葉さんはチャーチルの方から「彼らは悪い事をしているわけではないのに監獄と言うのはいただけない」と聞いたそうです。チャーチルの人々が心をいためながらシロクマと一緒に暮らすために頑張っていることがひしひしと伝わりました。
次にごみ問題の話では、ごみを食べるシロクマたちの写真を見せて頂きました。狐と一緒にごみを漁るシロクマや、燃やしているごみの近くでこげながらごみを食べるシロクマ。氷とシロクマの写真には感動を覚えますが、ごみとシロクマの写真には悲しくなります。丹葉さんは今までに会ったシロクマの中では、ごみの中にいた、飢えているこのシロクマたちが一番怖かったそうです。
この状況は3年前に郊外のごみ捨て場を開鎖し、リサイクルデポというごみ施設にごみを集めることにしたため、シロクマがごみを漁ることは無くなりました。ですが温暖化等によって飢えているシロクマにはごみの臭いはごちそうの匂いと同然です。リサイクルデポ前の写真にはたくさんのシロクマの足跡が残っていました。
             
●私たちがすべき事

          
ハドソン湾南西部に住むシロクマたちは、このままだと、あと30年で居なくなってしまう。
        
 チャーチルの街は一番南にあり、一番温暖化の影響を受けています。北に移せば良いという話もありますが、シロクマたちは一度棲み着いた場所に必ず戻ってきてしまうため意味のないことだそうです。
丹葉さんが「シロクマの写真を撮っていると、切なく見えてしまいます」と言うと、受講者の方々もどこか悲しげな様子です。可愛いシロクマがいなくなってしまう事実を写真を通して実感でき、改めて温暖化への危機感を持たなくてはいけないことを思い知らされました。「環境に良い事ことを! 電気を消すだけでも良いから、だまされたと思ってだまされてください」と語る丹葉さん。シロクマのために私たちがすべきことはたくさんあります。可愛いシロクマに居なくなって欲しくないと思ったら、環境にやさしいことを身近なところからやっていくべきでしょう。

カテゴリ:平成22年度

投稿日:2010年05月23日

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