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環境情報活動センターでは、毎月2〜3の環境学習講座を開催しています。リサイクル講座・木の実などを使ったクラフト講座・自然観察などのフィールドワーク・夏休み子ども講座・環境教養講座など、多彩な内容でお送りしています。 このコーナーでは、講座のレポートを掲載していきます。 (過去の講座を紹介しますのトップへ戻る

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乾いた大地のペンギン‘マゼランペンギン’

カテゴリ:平成21年度

投稿日:2010年02月21日

 2010年2月21日(日)環境情報活動センターにて、環境講座「乾いた大地のペンギン‘マゼランペンギン’」が開催されました。
今回の講師はペンギン写真家でいらっしゃる鎌倉文也さんです。鎌倉さんはこれまでに数多くのペンギンと出会い、ペンギンたちの生活実態を写真に収めてこられました。今回の講座では、南米パタゴニア地方の乾いた大地で生活する‘マゼランペンギン’についての興味深いお話を伺うことが出来ました。
 
        
          【大地で暮らすマゼランペンギン】
 
 一言に「ペンギン」と聞いて私たちが想像しがちなのは、南極の寒々とした氷の上で生活するペンギンたちの姿ではないでしょうか。しかし、実際には南極以外の地域に生息するペンギンの方が多く、「ペンギン=南極」というのは必ずしも当てはまらないのですね。
 
  
   【世界のペンギン分布】         【色々なペンギン】
  
 上の世界地図は世界に存在するペンギンの生息地を表しています。世界には一体何種類のペンギンが生息しているのでしょうか? 鎌倉さんのお話では、「世界にはおよそ17種類のペンギンが生活している」とのことでした。一番大きなペンギンは体長が1m20cm程のエンペラーペンギン(コウテイペンギン)、一番小さなペンギンは体長40cm程のコガタペンギン。体長も種類によって随分違いがあることが伺えます。(体長とは、身長とは違い、ペンギンを横に寝かせた時の嘴から尾羽根の長さを指します)
 さて、ペンギンの全体像を把握したところで、再びマゼランペンギンの話に戻りましょう。マゼランペンギンの主な生息地はチリ・アルゼンチンのパタゴニア地方沿岸とフォークランド諸島です。中でも、アルゼンチンのプンタトンボ(トンボ岬)はマゼランペンギンの最大のコロニーがある所として広く知られています。 
 マゼランペンギンの身体的特徴としては、首から胸にかけて黒いラインが2本あることだそうです。ご講演中、モニターに3種類のペンギンが映し出され「どれがマゼランペンギンでしょうか」という問題がありましたが、マゼランペンギン以外のペンギンは黒いラインが1本しかなく、マゼランペンギンは難なく見分ける事ができました。
  
           
            【どれがマゼランペンギンでしょう?】
  
   次に、鎌倉さんはマゼランペンギンの成長過程をペンギンカレンダー(子育てカレンダー)に沿ってお話ししてくださいました。
 プンタトンボでは9月上旬にオスが上陸し、縄張り宣言をし巣を構えます。オスは巣の前で「オレはかっこいいんだぞ!」と言わんばかりに、懸命にメスに自分を誇示するのです。オスの懸命な鳴き声にメスが誘われてペンギンのカップルが誕生します。
こうして出会ったペンギン夫婦は、メスが10月中旬ごろには産卵し、新たな生命の誕生を迎えることとなります。産卵に関しては、最初にメスは第一卵を産んだらオスに預け、自身は食事をするために海へエサをとりに行きます。そして、メスが再び巣に戻って来たところで第二卵を産み、今度はオスがエサを得るために海へ行く代わりに、メスが卵を抱卵することになります。このように雌雄が協力して交替で卵やヒナのお世話をする姿は、本能的に親が子に注ぐ深い愛情のようなものを感じますね。
 その後、2月上旬頃になると親の愛情を受けて育ったヒナは親の元を離れて、大海原へと巣立つこととなるのです。鎌倉さんの講演では、そういったペンギンのヒナが生まれてから巣立つ時までを写真や動画を交えて細かに見ることができ、まるで自分が親になったかのような心地で、すっかりスクリーンに引きつけられてしまいました。 
 
   
     【マゼランペンギン】      【マゼランペンギンの夫婦】
  
 さて、ここからは少し違う視点からペンギンたちの生活を見ていくことにしましょう。現在、世界規模の問題として取り上げられていることに「環境問題」があります。この問題の原因は、私たち人間の生活が豊かになり過ぎたが故に引き起こされたものであり、私たちが考えていかねばならない課題でもあります。そして、この「環境問題」はペンギンたちの生活にも危機迫る問題となっているのです…。
具体的には、営巣地近くを航行する船のバラスト水の流出や石油開発による石油漏れが原因で汚染された海水がペンギンの体に悪影響を与えているということ。温暖化の影響で、海水温が上り海流が変化し、ペンギンたちのエサの取れる場所が営巣地から遠くなってしまったり、エサの量が減少してしまっていること等々…。
 私たちの豊かな生活がペンギンたちの生活に大きなダメージを与えているという事実を、ぜひ多くの人に知っていただきたいものです。環境問題によって引き起こされている弊害は、無論ペンギンに限った話ではなくあらゆる生態系に言えることなのでしょうが、環境問題を私たちの身近な問題として捉える良い機会となりました。
 当センターには、鎌倉さんのペンギン写真集が置いてありますので、お立ち寄りの際はぜひご覧になってください!
以上

カテゴリ:平成21年度

投稿日:2010年02月21日

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